SNSで話題の“美少女職人”、AI美女生成の信念を明かす「自分は悪いことをしていない」
ChatGPTを筆頭に「生成AI」が大きな注目を集めている。文章、画像、動画、音声などさまざまなコンテンツを自動で生み出せるAIの進化は、あらゆるビジネスに大きな変革をもたらすと言えるだろう。
@TASUKU2023)に、AIに興味を持ったきっかけやAI美女の現在地、課題点について話を聞いた。
テクノロジー業界とは全くの無縁だったTASUKUさん。
今や、“美少女職人”とSNS上で言われるほどの知名度を獲得し、“AI美女の祖”としてAIアートの啓蒙活動を行っている。一体なぜ、AIに興味を持ったのだろうか。
「2023年のお正月にゲーミングPCでネットサーフィンしていたところ、たまたま『生成AIがブームなっている』という記事を見つけて。そこから色々と調べていくうちに、イラスト系のものはクオリティの高いものが作れそうだなと思ったんです。2週間ほどAIでイラストを作ってきたなかで、『リアルの女性も作れたら面白い』と思うようになって。そこからStableDiffusionを使ってAI美女の画像生成ができないかと試行錯誤するようになったんです」(TASUKUさん、以下同)
しかし、当時は欧米系の美人女性を生成するモデルは存在していたが、アジア人のものはほとんどなかったという。
どうすればアジア人のAI美女を生成できるのか——。
TASUKUさんはさまざまなトライ&エラーを繰り返していったという。こうして誕生したのが「ChilloutMix」だった。
「オープンソースで、いろんな美女モデル同士を掛け合わせながら、創意工夫してきた当時の集大成がChilloutMixでした。いわゆるアジア人の美人女性として及第点の学習モデルとなる“秘伝のレシピ”を作ったことで、ボタンを3つほど押すだけでAI美女が作れてしまう。その頃はかなり画期的なもので、SNSで発信したところ、想像以上の反響がありました」
一方で、あまりにも高性能でリアルなAI美女モデルを生成可能なゆえ、それが悪用されるのを防ぐために商用利用は禁止していたそうだ。
「賛否両論が巻き起こるのは予想できたわけですが、一方的に非難されるのは怖かったこともあり、ChilloutMixを製作してしばらく経った頃に、一度サーバーから消滅させたんです。でもその後に、オランダのモデル共有サイトの管理者から『ChilloutMixを復活させてほしい』と問い合わせがあって。なので、現在は自分がChilloutMixの製作者であるものの管理者は別の人になるんですよ」
非難的な意見については、一定リスクが絡むことを理解しつつ、「自分自身が悪いことをやっているつもりはない」という一貫したスタンスで向き合っていたそうだ。
「たとえば、殺傷事件が起きたとしても包丁を作っている人が悪いのではなく、包丁で刺した人が悪いのと同様に、AI美女を作ること自体は悪くないわけです。ただ、AI美女を作る際に学習させる画像の肖像権を侵害し、それを商用に利用したりお金を稼いだりするのはやってはいけないこと。そこを履き違えてはいけないわけです。このような思いを持ちながら、AIアーティストとして今でもAI美女の制作を行っています」
こうしたなか、AIの技術を使えば、フォトリアル(写真のように写実的なこと)で現実世界に実在するかのような“AI美女”も作ることができる。StableDiffusion(2022年に公開された画像生成AIシステム)の学習モデル「ChilloutMix」は、美しいアジア人女性をAIで生成可能にした世界初のものとして知られ、“AI美女ムーブメント”の先駆けとなっている。
ChilloutMixの製作者であり、AiHUB所属アーティスト/STUDIO MirAI CEOのTASUKUさん(X:正月休みのネットサーフィンで偶然知った「生成AI」
「自分は悪いことをしていない」というスタンスで批判と向き合った
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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