東スポが“アルコール度数13%のレモンサワー”を開発した理由「5缶飲んで腰を抜かす人も」
『ネタじゃない!東スポ餃子が爆誕』
上記の見出しで、世間を賑わせたのが2021年10月。以降、東京スポーツ新聞社(以下、東スポ)が、食事業に本腰を入れている。第一弾の餃子を皮切りに、唐揚げ・ポテトチップス・レモンサワー・ビールを次々にリリースし、2024年1月には「東スポ居酒屋・青ノ山」までオープンさせたのだ。
これまでも出版社が、期間限定での出店やイベントで、飲食店を開く事例は見られた。しかし、今回の東スポの居酒屋出店は、会社の一事業として店舗展開も見据えていくという本気具合だ。
一体、新聞社発の居酒屋のクオリティとは、そして東スポはどこへ向かっていくのか――。開店間もない店舗を訪れた。
JR上野駅入谷口から徒歩2分、ビジネス街の一角に「東スポ居酒屋・青ノ山」は位置する。もともと本格讃岐うどんを提供する飲食店からオファーがあり、夜の居酒屋業態をプロデュースする形で、記念すべき一号店が誕生したそうだ。
店内は東スポ色満載だ。店内の壁一面には「ツチノコ発見」「屋久島にカッパ」といったおなじみの紙面が飾られ、東スポカラーの水色が目立つのぼりも設置されている。
「もともと当社の食事業は、社長のひらめきで始まったんですよ。読者がゴシップや競馬記事を読みながら、お酒を飲んでいる姿をイメージした時に『食で行こう!まずは酒に合う餃子だ!』と。
展開した当初は、社内でも『どうせ賑やかしだろう』と冗談気味だったんですが、社長が『これからウチは新聞社じゃなくて、総合商社としてやっていくんだ』と宣言して、社員も段々と本気になってきてね。それである程度の商材がそろってきた段階で、居酒屋業態に乗り出したわけです」(佐藤氏、以下同じ)
そう語るのは、文化部次長 兼 “東スポ食シリーズ広報担当”の佐藤浩一氏だ。これまで現場一筋で20年以上やってきたベテラン記者が、いまや食事業のPRに奔走する。
早速おすすめを聞くと、大体の客が頼むという看板メニューが、その名も「東スポセット」だ。餃子・唐揚げ・レモンサワー缶の3点セットが税込1500円で堪能できる。
食してみると、ガツンとニンニクが効いた餃子と唐揚げに、さっぱりしたレモンサワーが相性抜群だ。組み合わせ間違いなしの王道居酒屋メシだが、東スポらしい“遊び心”も感じる。
「東スポらしさを出したいと考えた結果、やっぱ独自性とインパクトで尖らせなきゃいけないだろうと。缶のレモンサワーは“日本史上最強”のアルコール度数13%、餃子は青森県産のニンニクを通常の3倍、唐揚げは希少部位の“肩小肉”で勝負しました!
特にレモンサワーはドカンと波が来ましたね。低アルコール化が進み、大手各社もストロング系を抑えている時代に、逆行して突き抜けてるのが東スポらしいと好評でした。発売した途端、インフルエンサーに“世紀末のレモンサワー”と称されてバズったり、酒井法子さんが『マンモスレモンな味わい!』と宣伝してくれ、とても反響が大きかったです」
いかにも東スポらしい口上だが、実は3品ともクオリティが高い。ニンニクのパンチとまろやかさが共存する餃子に、醤油ベースでジューシーな唐揚げ、13%を感じさせない口当たりのレモンサワーと、つい飲み食いが進む。
「このレモンサワーは飲みやすくてヤバいんですよ。なかには5缶飲んで腰を抜かす人もいましたから(笑)。缶から直に飲むとアルコールが立ちすぎるのですが、ロックで飲むとまろやかになるんです。店舗では割材のソーダとレモン果汁も提供してるので、お好みで調整してもらえたら」
アルコールに弱くないはずの筆者も1缶流し込んだらクラっとくるほど。普段のペースで飲んだら泥酔しそうだが、それだけコスパ抜群で満足できる証拠だ。
社長のひらめきで始まった「食事業」
“東スポらしい”アルコール度数13%のレモンサワー
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1995年生まれ。大学卒業後、競馬会社の編集部に半年ほど勤め、その後フリーランスに。趣味は飲み歩き・散歩・読書・競馬
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