更新日:2024年03月27日 14:26
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「中学生がなぜかハイブランドの財布を…」中学教師に聞いた、令和の学校トラブル。親は「買った覚えない」

学生

※写真はイメージです。以下同

いつの時代にも、トラブルは絶えない。誰もが中学校生活を経験しているはずだが、“今”の中学生にどんな問題が起きているのか、把握している大人は意外と少ない。 筆者(綾部まと)は新卒でメガバンクの法人営業部門に入行し、都内の学校法人を担当した。その取引先は中高一貫の学校法人で、当行が主力銀行だった。深い付き合いをする中で当時の銀行担当者から、現代の学生トラブルについて教えてもらってきた。 ネットやスマホ、マスクが生むトラブルである。筆者をはじめとした大人が学生だった頃には、考えられなかったものばかりだった。そんな令和の学校トラブルの中から、中学生に焦点を当ててご紹介する。 もちろん、筆者の担当した一部の学校法人に教えてもらったもので、全ての中学生がそうとは限らないことを前置きしたうえだが、お子さんがいる読者の方は手遅れになる前に、事実としてぜひ知っておいてほしい。

令和の学校トラブル①「ネットで加速する、未成年の“闇市”」

家未成年がトレーディングカードを売買することは、本来なら違法である。しかし、いつの時代にも悪いオトナは存在するものだ。 「中学生からカードを買い取る“闇市”が、都内に存在します。彼らは『ママかパパに了解とった?』と中学生に聞いて『うん』と言われると、それで良しとして取引します」 子供のスマホや学校のタブレットでは、履歴から闇市を検索したことがバレてしまう。彼らは親のパソコンを勝手に使い、闇市の情報を仕入れるのだという。 闇市の業者がリスクを冒してまで売買する理由は、レートの安さにある。未成年が売買できる場所は限られているため、本来の相場よりかなり安い価格で買い取れるのだ。 「ポケカは有名ですが、他にもかなりの値段で売れるのがドラゴンボールカード。今の中学生が小学生の頃にゲームセンターで取れたものなので、今は出回っていないカードも生徒たちは持っているんです」 大金を手に入れた彼らには、また別の悪いオトナが待ち構えている。

転売で得たお金で、ヴィトンを買う中学生も…

「ある日、男子生徒が『財布を失くした』と相談に来ました。体育の授業で着替えている間に盗られた可能性があるとのこと。なんと、ヴィトンの10万円近くする財布でした」 その子は普段からブランド物を持つタイプではなかった。不審に思って母親に連絡すると、「そんなもの買った覚えはない」と驚いていたという。どうやらドラゴンボールカードを転売して得たお金で、こっそり買ったらしい。 「未成年を対象に、ブランド品を売買する業者がいるみたいです。正規の店では売ってくれませんからね。彼が持っていた財布も、正規品かどうか怪しいものですが……」 結局、彼の財布は見つからなかったとのこと。その財布も未成年をターゲットにした、別の業者に転売されているのだろうか。
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親が使わないスマホをこっそり使う
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ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother

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