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20年前に330万円だった「ホンダNSX」は現在858万円〜。中古車は“投資対象”となり得るのか?

NSX

著者がかつて所有していたホンダNSX(NA1)

価値が上がる車に長年乗り続けたらどうなるか?

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。私が免許を取ったのは今から20年前でありますが、免許を取ってから何年かの間、「腕時計投資」のようなことをクルマでもできるのではないか、と実験したことがあります。  高級腕時計は「買って⇒使って⇒高く売る」ということが可能であるわけですが、クルマでもそれと同じことができると思ったのです。  しかしながら、その結論は「クルマ投資は不可能」でありました。というのも、クルマは腕時計のように「上がったり下がったり」という値動きがなく、基本「下がり続ける一方」だからであります。  とはいえ、昨今では「以前では考えられないほど値上がりした」といった車種が多数出現。例えば、空冷ポルシェなどはその代表格だといえます。  また、私は今から19年前にホンダNSX(NA1)を所有していたのですが、こちらも空冷ポルシェに負けないぐらいの値上がりとなっています。ということで今回は、元NSXオーナーの私が、「価値が上がる車に長年乗り続けたらどうなるか?」ということを考えてみたいと思います。

2005年のNSX価格

 私は、2005年にNSXを中古で購入したのですが、その際の価格(総額)は約330万円でした。買った車両の条件は『1992年式、約6万キロ、修復歴なし、AT、色:カイザーシルバー』であります。  では、現在同じ条件のNSXを買おうと思ったら、いくらかなのかというと、最も安価な車両が858万円、次が1004万円であります(色指定なしの同条件)。  2005年時点において、330万円で購入できたNSXは、今や858万円以上という状態。つまり私は、現在価格に対して520万円以上も安く買ったことになるわけです。  腕時計の場合、この520万円という過去価格との差額が「ほぼリターンとなる」可能性があるわけですが、クルマの場合はどうなるでしょう。  ということで今回は、安かった時期に購入したクルマを長期間乗り続けていたならば、金銭的に、どういった「得」がもたらされるか、ということを考えてみたいと思います。結論から先に申し上げると、私がNSXに乗り続けていたとしても金銭的な「儲け」はなかったという結果となりました。
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使って楽しむことを前提とした場合
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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