パチンコ店の「サクラ」で荒稼ぎした47歳。“客を裏切り続ける店長”が手にするカネは…
パチスロ台の設定状況を把握している店長から高設定台を聞き、一日打って儲けたお金を店長と山分けする。そんな、お店や客に対して裏切りといえる行為を数年に渡って行っていたという米山 武さん(仮名・47歳)。しかも、それらを組織化して会社のように運営していたというから驚きである。
そこで今回は、当時行っていた活動内容から店バレ対策、さらには実際にプレイする「打ち子」への報酬など、生々しいお話を赤裸々に語ってもらった。
米山さんが雇っていた打ち子を“パチンコ店のサクラ”だと思う人も多いだろう。しかし米山さん曰く、本来は「自店を優良店だとアピールするために、客のふりをして遊技する人のこと」を“サクラ”と呼ぶとのこと。自身がやっていた「店長が第三者と組んで、自分の懐にカネを入れる行為」は、いわゆる“サクラ”とは少し違うモノだと語る。
「僕らがやっていたのは、お小遣いを欲しがっている店長を抱き込んで設定を教えてもらい、その台で抜きまくって店長と分け合うということ。だから、その店のオーナーさんからしたら“害”でしかない存在なので、本来の『サクラ』とはちょっと違うんですよね。その店を運営する会社にバレる可能性もゼロではないので、実際にプレイする『打ち子』は徹底的に教育しつつ、活動自体も完全に組織化していました」
お店主導で行う“サクラ”と違い、主に店長個人と手を組んで行っていたわけだが、その関係性はどのように構築するのだろうか。
「知り合いの販売会社(遊技台の販売代理店)の人に頼んで、店長に話を持ち掛けてもらっていました。販社の人は、店からすると“外部の人間だけど店長との距離が近い”ので、近づきやすい存在なんですよね。そうすると話に乗ってくる店長が一定数いるんですよ。『あの店やりそうだよ』って、販社の人が教えてくれるので、その後、電話で店長に詳細を説明します」
興味を持った店長が現れると具体的な話をするわけだが、良い話ばかりではなく、必ずリスクの話もしつつ、その対策方法に関して完璧にプレゼンしていたそうだ。
「店長が一番気にするのが『バレたらクビになって捕まるんじゃないか?』という点。だから、バレるパターンを全て提示し、その対策方法を説明します。例えば、普段のやり取り用の携帯を渡すのですが、いざという時の携帯の壊し方まで丁寧に教えていました。もちろん遊技台にインチキをしているワケではないので、設定表をコピーしているところの動画などの“決定的な証拠”がない限り、捕まることはほぼないんですよ」
とにかく想定される不安材料を全て取り除いてあげることが大事だという。さらに、必ず事前にルールを決めるのが米山さんの流儀だった。
「始める前に必ず目標金額と期間を決めます。『2年間で1千万円』とか『1年間、毎月のお給料に○○万円上乗せ』といった感じで。そして、『その間はお金を貯める期間だと思って散財はしないでください』とアドバイスしていました。やはり、周りの人はある程度は店長の給料を知っているワケで、急に羽振りが良くなったら怪しまれますからね。人間って、目標があって終わりが見えてくると、そこに向かって努力するんです。でも、終わりがないと永遠に『もっと、もっと』となって、ズルズルやっちゃう。それがバレるパターンの一つなので」
店長を誘い込む方法
店長のリスクも事前に説明
パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。
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X(旧Twitter):@sagyosakurai
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