「高級クラブの美人ママ」が常連客の“モテない50代サラリーマン”と結婚した意外な理由
日系航空会社CAから六本木のクラブママを経て作家となった蒼井凜花が、実際に体験した、または見聞きしたエピソードをご紹介。今回は「高級クラブの美人ママが50代のモテないサラリーマンを結婚相手に選んだ理由」をお届けする。
赤坂のクラブのママだった美咲さん(仮名・36歳)は、客として通っていた男性と結婚した。クラブのママがお客さまと結婚するケースは珍しい。しかも、夫である和弘さん(仮名・51歳)の写真を見せてもらうと、ややメタボで正直イケメンとは程遠いルックス……。彼自身「モテない人生だった」と自認しているらしい。
では、20代から夜の世界に入り、多くの男性客から口説かれ続けたクラブのママが、なぜ彼を夫として選んだのか。美咲さん本人にその理由を聞いてみた。
「友人に連れられてご来店した和弘さんと会ったとき、『地味だけれど誠実そう。そしてよく笑うほがらかな人』というのが第一印象でした。他のお客さまとは全く違った安心感やフレンドリーな雰囲気もあって、私も肩ひじ張らずに自然体で接客できたんです。和弘さんも私を気に入ってくれたみたいで、月に3回ほど来店してくれるようになりました」
美咲さんは、クラブの常連となった和弘さんの謙虚な言動に好感を持ったようだ。
「頂いた名刺から印刷関係のサラリーマンと知ったのですが、一回の来店で7~8万円、ボトルを入れれば10万円以上する料金システムですが、『美咲ママを応援したいから』と、売上貢献してくれていました。それに、彼は好意を見せてくれるものの、決して口説かないんです。アフターに行く際も『ママと仲のいいホステスも誘ったら?』と言ってくれる。男性ですから、下心はあったとしても、私を“不安にさせない気づかい”を常に見せてくれました。ただ、この段階では異性として見ることはできなかったですね。お客さまは、あくまでもお客さまですから」
ただ、人間としての魅力は大いに感じたという。
「和弘さんは自慢話や噂話、愚痴などの話題は一切しません。実は、ご来店するお客さまの中には紳士的な方が多い反面、『先日、タレントの○○と飲んだけど、意外に酒癖が悪いんだ』『愛人に金がかかって困る』『会社の部下は無能な奴ばかり』などの下世話な話をする方も多いんです。もちろん、水商売ですからお客さまに合わせますが、その人の人間性が見えてがっかりすることもありました。
その点、和弘さんは自慢話とは無縁。ややメタボだから、ホステスたちから『和ちゃん、もっと痩せなきゃダメ!』なんてツッコまれて大笑いという場面も多かったですね。笑いの絶えない席で、ホステスたちも『和ちゃんの席に着きたい』と言うようになったんです」
そして美咲さんはいつの日か、和弘さんに悩み相談をするようになったようだ。
「誠実な人柄もそうですが、彼は私が男性に求める『口の堅さ』も兼ね備えていました。信頼するに値する人だと感じた私は、いつしか和弘さんに悩み事を打ち明けるようになったんです。クラブのママがお客様に悩み相談などあってはいけませんが、実はその頃、ママ業で心身が疲弊していまして……」
クラブの美人ママが“モテない50代男性”と結婚したワケ
自慢話をせず、愚痴を言わない人間性で好感度アップ
元CAの作家。日系CA、オスカープロモーション所属のモデル、六本木のクラブママを経て、2010年に作家デビュー。TVやラジオ、YouTubeでも活動中。
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