給料が減った分、仕事をしないのも当然!な50代社員たち
―[50代[不良在庫社員]の大迷惑]―
やれ、「ゆとり世代はガッツがない」「バブル世代はお調子者で仕事ができない」「団塊世代はもらうだけもらった逃げ切り世代」……。とまあ、世代間のディスり合いは常に不毛なものだが、実は今、こっそり会社でお荷物となり疎まれているのが「50代」だという。昭和の“企業戦士”の最後の世代、気づけば“老兵”となった彼らが巻き起こす混乱を見ていこう。
◆給料が減った分、仕事をしないのも当然!と晩節を汚す
「人間っていうのは、いくらでもプライドをなくせるんですね」と嘆息するのは、大手メーカーで保守を担当する部署の課長・泉田正美さん(仮名・44歳)だ。泉田さんの部署14人のうち5人がOVER50。中にはかつて直接指導を受けた先輩もいて、「決して無能なわけではないのに、困った人になってしまった」と、彼らの仕事のしなさっぷりに、頭を悩ませる。
「就業時間中のうたた寝は当たり前。せめて簡単な仕事でもと、会議用の資料作成を頼めば、忙しい若手に平気で押し付ける。パワポ1枚でまとまる資料をデカい文字だけの24枚の書類に仕上げたり。仕様書の数字の間違いを指摘すると、『もう、わからないよ~』と開き直るんですよ」
さらに悩ましいのは、彼ら自身、会社にとって「働かないお荷物」だという自覚がないことだ。
「55歳で役職定年となり、課長から主任という名ばかりヒラ社員になったんですよね。年収も900万円ほどあったのが、600万程度になって、『給料が減ったんだから、仕事量が減るのは当然』と勝手に仕事をセーブし始めて。そのセーブ量が半端ではなく、仕事量7割引、質にいたっては9割引き」
しかも、この会社では数年前の分社化以前、50代半ばになれば子会社の部長クラスに横滑りできたそうで、何かにつけ「ワリを喰った」と口にするのだとか。
「だったら、20代社員はどうなんだ!?って話ですよ。やれ具合が悪いだの、無理はできないだの言って、夜間の業務など、彼らの半分程度しかもらっていない若手にしわ寄せがいく。しかも、彼らが50代になったとき、こんな呑気な働き方は許されないでしょうから」
当然、若手社員の50代社員への眼差しは冷たく、おっさんたちの話など真剣に聞くはずもない。
「すると、『どうせ、俺なんて辞める身だからさ』とスネて、さらに働かない。長年、この会社で働いてきて、その晩節をなぜ自ら汚すのか、私には理解できませんよ」
イラスト/マスリラ
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