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映画『カメラを止めるな!』大ヒットの裏で「絶賛するヤツがウザい」の声も

 都内2館での公開から、SNSでの口コミを中心にみるみるうちに話題が広まり、現在、全国120館以上で公開されている映画『カメラを止めるな!』のブームが止まらない。宣伝費もろくにかけていない予算300万円のインディーズ映画が、口コミレベルで全国規模にまで発展。もはやこれは、映画史に残る事件といっても過言ではないだろう。

公式ホームページより

有名人の絶賛ツイートが感染源に


 指原莉乃ら、拡散元となった有名人の口コミにも一定の法則がある。それは、“具体的な内容には誰も触れない”という点。「何も調べずにとにかく見てほしい」「このツイートを見た人は全員、『カメラを止めるな!』を見てください」「本当に面白いから、騙されたと思って見て!」と、とにかく「四の五の言わずに、見ればいいんだ、見れば!」の一辺倒。また、別パターンとしては、「見た後、元気になれる」「食欲がわいてくる」「仕事のモチベーションがわいてくる」「一日中笑顔が止まらない」など、通販商品の誇大広告もかくやの文言が立ち並ぶ。この「ネタバレになるので内容は言えない……けど、とにかく面白かったことだけはどうしても伝えたい」という、えもいわれぬ熱量の高さに感染するように、新たなファンが増殖し続けているのだ。

 その一方、これら一連の絶賛ツイートの嵐に、「少々、辟易してきた……」という声も筆者の周辺から上がってきている。映画を見ていない人間のあまのじゃく的な発言じゃないか、とも思えるが、意外にもその声の主の半数は鑑賞済みの人間たちだった。まずは、映画鑑賞済みの人たちのコメントを見ていこう。

迷わず行けよって……猪木かよ!


「ほぼ単館で上映されていた2か月前であれば、制作者の素晴らしい熱意と綿密な脚本・シナリオを埋もれさせたくない、という意図で拡散するのはわかりますし、私もそうでした。ただ、すでに興行収入10億円が見えてきた今の時点で、まだタイムライン上に『面白い』『絶対見るべし』ってこられると、いや、もういいよってなります」(38歳・フリーライター・女)

「ネタバレ禁止……って“お約束”だけは踏襲しているのに、みんなが面白いって言ってる作品には半信半疑でしたけど……面白いとか『迷わず行けよ、行けばわかるさ』って、猪木みたいな発言をつけて、他のツイートと差別化を図ろうとしてくるところにイラッとくる」(42歳・外食チェーン・男)

「なんか映画を観ただけで『低予算でよくぞここまで。涙が出た。日本男子の矜持を見た』とか『日本人に生まれて良かった!感動した!!』的な“日本絶賛”ツイートに変えてくる人がいる。いや、凄いのは上田監督であってお前じゃないから」(48歳・IT・男)

 いわゆる映画そのものに対する批判ではなく、「大げさな物言いをする一連の発言にうんざりしている」といった趣旨のコメントが目立った。続いて、映画を観ていない人は何が気にかかっているのか。素直に観てみれば良さそうなものだが……。

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「見てない人は語れない」的な空気感……

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