「女子マネ制止」報道を見た元甲子園球児と女子マネジャーの本音【第98回・高校野球】
夏の甲子園が8月7日に開幕する。「第98回全国高校野球選手権大会」の甲子園練習は2日に行われ、大分の女子マネジャーがユニホームを着てグラウンドに立ち、大会関係者に制止される場面があった。日本高野連は「安全面の配慮」と説明するが、ネットでは「時代錯誤ではないか」といった非難が殺到している。
スポーツの世界では、女子アスリートの活躍が目覚ましい。オリンピックやW杯といった世界の舞台で活躍する女子アスリートは多く、近年では女子プロ野球も発足し、硬式野球に青春を捧げる女子の数も増えている。政治の世界では、女性初として小池百合子氏が東京都知事に選出されたばかりだ。
甲子園の大会規定では、危険防止のためグラウンドに立つのは「男子のみ」と明記されており、甲子園練習もそれに準じる形に。大分の女子マネはユニホーム姿でグラウンドに入り、守備練習ではノッカーにボールを渡していたところ大会関係者に制されたが、手引きには男女の明記がなく、ジャージでの参加は禁止、ユニホーム着用とだけ書かれていたようだ。そのため、女子マネジャーはユニホームを新調し、甲子園練習に練習補助員として参加する予定だった。
一連の騒動に対して、Twitterなどでは運営側に非難が殺到している。元五輪アスリートの為末大氏は「世の中と最もずれている競技になりつつある」とツイート。マジシャンのふじいあきら氏も「これってなにがいけないの?危険って性別関係無いじゃん。即刻見直すべき」、そして脳科学者の茂木健一郎氏も「『丸刈り』を含め、謎の様式美、禁則が多すぎますね」と疑問を投げかけた。
実際に、当事者はどう感じているのか? 2009年に近畿ブロックから甲子園出場の切符を手にした野球部の部員だった元甲子園球児は憤りをにじませて話す。
「多くのチームでは普段の練習から女子マネジャーがノッカーにボールを渡していますし、ヘルメットを着用するなど安全面にも考慮しています。 相撲の女人禁制など、どこからが差別でどこまでが区別というのは難しい議論ですが、少なくとも商業的要素の強いプロ野球と違い、教育的要素も強い高校野球のあるべき姿ではないと感じました。高野連のお偉いさんには古い考えの男性が多いのか、女子選手がベンチに入れなかったりと、くだらない性差の制約が多すぎます」
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