大手企業でも一般化している[過酷すぎるノルマ]
―[実録[過酷すぎるノルマ]選手権]―
余裕なき組織が現場の人間に課す「ノルマ」という名の“十字架”。そのあまりの重みに耐えかねた悲痛な叫びは、今日もあちらこちらで上がっている。今、あなたのすぐそばでも起こっている、サラリーマンを襲う壮絶なプレッシャーの現実に刮目せよ!
◆ひどすぎノルマはリストラ勧告!? 大手企業でも一般化するワケ
会社のノルマがキツすぎて、心身共に疲れ果て、あげくの果てには過労死や自殺……。一聴するとどこのブラック企業の話かと思うかもしれないが、企業アナリストの新田龍氏は、「近年、どんな企業でもあり得る話」だと指摘する。
「ここ数年、不況の影響からか、ノルマがキツすぎて、超過労働でサービス残業は、当たり前の時代になりました。大手の企業ですら、こうした過剰なノルマが増えています。最近は、『ノー残業デー』などといって早く社員を帰そうとする傾向もありますが、仕事時間が少なくなっても結局、仕事の総量は変わらない。そこで、家に持って帰ったり、早朝出社したりして作業する人も増えていますよね」
さらに、労働問題の相談に無料対応するNPO団体「POSSE」代表である今野晴貴氏は「ここ数年でノルマのあり方に大きな変化が出てきている」と語る。
「リーマンショック以降、正社員からの問い合わせが格段に増えました。会社側から重いノルマが課せられるのには、いくつか理由があるんです。ひとつは、『使い捨て目的で、ノルマをたくさん課して社員を使い倒す』。もうひとつ、最近増えているのが、ノルマが『リストラしたい社員への嫌がらせの道具』になっている点。さらに、多くの企業で社員のケア目的の“カウンセリング”が行われていますが、これがくせもの。ノルマ未達成の社員にこの“カウンセリング”を受けさせ、圧力をかける。延々と反省文を書かせるなどして冷静な判断力を奪います」
実際、そうした会社側の仕打ちにストレスを感じ、心身を病む人も少なくない。弁護士の石井琢磨氏も「ここ10年間で、精神障害などを理由にした労災が4~5倍に伸びています。ほかの労災の件数に比べて、この数は異常だと思います。実際、過労自殺など、仕事の負荷が原因で死に至るケースも増えていますから」と続ける。
もはや人を殺しかねないノルマの脅威は対岸の火事ではない。
【新田 龍氏】
ヴィベアータ代表取締役。ブラック企業アナリスト。労働問題に関する講演や執筆を行う。著書に『ブラック企業を見抜く技術・抜け出す技術』などがある(http://ameblo.jp/nitta-ryo/)
【今野晴貴氏】
NPO法人「POSSE」代表として、若者を中心とする労働相談に携わる。著書に『マジで使える労働法』『ブラック企業に負けない』などがある(http://www.npoposse.jp/)
【石井琢磨氏】
弁護士。相模川法律事務所代表。消費者問題や借金問題、交通事故などの弁護を中心に活動を行う。ブログ「相模川の弁護士」が更新中(http://sagamigawa.blog73.fc2.com/)
― 実録[過酷すぎるノルマ]選手権【1】 ―
―[実録[過酷すぎるノルマ]選手権]―
|
『マジで使える労働法』 “普通”に働きたいアナタに! ![]() |
【関連キーワードから記事を探す】
「ワシがルールだ!」アパートに住む70代迷惑老人に“20代の女性大家”が言い放った「会心の一言」
「ウチの会社、法を犯してます」ブラック企業でも倒産しないカラクリをプロが明かす
「レベル低すぎ。小学生かよ」と暴言し放題!横暴な社長の息子に立ち向かった社員の逆転劇
家庭も職場も父親が支配…絶望する20代男性に、取引先社長が放った“救いの言葉”
災害で電車が運休しても上司は「商談に行け」の一点張り…“超遠回り”した部下を襲った“つらい仕打ち”
12月3日から「障害者週間」。障害者雇用の現場から見えた経営の難しさと企業の挑戦
人気セクシー女優らがAV新法改正に涙の訴え!「やめたくない」「声を挙げてもいいですよね?!」
『レジリエンスの時代 再野生化する地球で、人類が生き抜くための大転換』 著者のジェレミー・リフキンさんに聞く
20世紀最大の哲学書、ハイデガー『存在と時間』を今読み解く意義とは?
ひろゆきが「日本の学校では競争を勝ち抜く子どもが育たない」と断じるワケ