虎ファン激白「もしオレが阪神のGMになったら」
5位に低迷する阪神タイガースが、チーム再建に向けて球団初のGM制導入を決めた。9月初旬にもOBの中村勝広氏が就任する見込みである。
しかし中村氏といえば、90~95年の阪神監督時代、03~06年のオリックスGM・監督時代を通じてお世辞にも好結果を残したとは言えず、阪神ファンからはむしろ暗黒時代の象徴のように見られている人物だ。そんな人に大事なチームを任せていいのか? ていうか、オレに任せてくれればいいのに……と思っている虎ファンは多いはず。
というわけで、3人のディープな虎ファンに「もしオレが阪神のGMになったらこうする!」という改革案を語ってもらった。
まずは『みんなの あるあるプロ野球』編著者で漫画家のカネシゲタカシさん。
「阪神の監督ってのはマスコミやファンからの風当たりが強すぎて、並の神経じゃやっていけない。そこで、和田監督以下10人程度に監督の肩書を与え、どれが本物の監督かわからないようにします。この影武者作戦によってマスコミは誰を攻撃してよいかわからず右往左往。ファンがヤジろうにも『辞めちまえ、和田監督!金本監督!新井監督!真弓監督!……』と指折り数えながら叫んでいる間にナインはゆうゆうと引き上げることができるという寸法。風当たりが10分の1になった真の監督は、きっと采配に集中できることでしょう」って、すぐにバレそうな気もするが……。
「マジな案としては<スタメンの総年俸を◯億円以下に抑えること>という縛りを設ける。たとえば新井貴と金本と鳥谷と平野は同時に使えない、絶対に若手を入れないといけないという状況をムリヤリ作り出すのです。そうでもしないと今の首脳陣は若手を育てられませんから」
このシステムを全球団に導入すれば、巨人なんかは帳尻合わせに四苦八苦しそう。そんななか広島だけは今までと全然スタメン変わらなかったりして……。
一方、メルマガ「虎バカマガジン」(http://torabaka.jp/)主宰で自称阪神タイガース評論家の鳴尾浜トラオさんは、チーム作りについて次のように語る。
「強くするのは大事ですが、ジャイアンツやドラゴンズみたいに強いのではイヤ。たまに優勝する年は突如として優勝、優勝できない年もできるだけオモロく、ドラマチックに負けるならOK――そういう方針でチーム作りをしたいですね。具体的には“よくデキる子”より“おもろいアホな子”、つまり一芸タイプ重視で選手を集める。浜風に乗せてホームランが打てる、芝生をすべるダイビングが大好きな外野手など、甲子園に合うことも大事。若さ、フレッシュさは、今後MLBとの差別化のためにも重要ですから、甲子園で活躍した高校球児を積極的に獲り、早く使う」
選手同様、首脳陣も世代交代が必要と説く。
「一気に赤星監督くらい行っちゃってもいいですが、来季ということなら矢野監督か。ほかにも金本、桧山引退即監督でもいい。技能を要する専門コーチにいかに優秀な人材を確保するかも大事ですが、最重要はナンバー2。作戦参謀の能力より、監督の意志を専門コーチや選手にきっちり伝える“神経系統”の役割を果たせる人。そんな新世代監督の神経としては、03年星野監督付き広報(マネジャー)としてすぐ近くで見ていた平田勝男氏が適任だと思います」
こうした改革案に対し、身もフタもないというか、ある意味、最も大胆なアイデアを述べるのは、『猛虎はん』などの作品がある漫画家のほりのぶゆきさん。
「選手、首脳陣は現在のまま完全維持。ただし、阪神タイガースという名前、そして本拠地を変える。そのことによってどのくらい成績の差が出るかという実験。もし良化するのなら阪神タイガースであること自体の呪縛が証明される。証明された時点でもう別のチームなので愛着もないのですが。つまり、自分の愛着が呪縛を生んでいるという証明でもあるのです」
こういうややこしいことを言うファンがいるから、球団側もなかなか抜本的改革ができないのかもしれませんね……。 <取材・文/新保信長>
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