韓国有名大学教授が抱く「韓流ブーム」への危機感

チャミスル

チャミスルが教授の辛口を加速

ペ・ヨンジュン主演「冬のソナタ」で日本の韓流エンタメブームの幕が一気に開けたことは、皆さんの記憶にもあるだろう。当初は中年女性限定の、一過性のコンテンツと思われたが、あれよあれよという間に若年層にも浸透。音楽では東方神起を皮切りにKARAや少女時代などのK-POPアイドルがオリコン上位を独占し、音楽番組でも韓国語字幕が付けられ、韓国ドラマが連日ヘビーオンエアされるほどの韓流熱が日本を席巻している。

だが一方では、この雰囲気に抵抗を感じている人々も存在する。俳優・高岡蒼甫が韓流コンテンツの氾濫ぶりにツイッターで苦言を呈し、騒動となったが、ネット上では「共感できる」という声も多く、じょじょに「韓流飽和状態」へのアレルギーが表面化してきた様相だ。

当の韓国人はこれに何を思うのだろうか?  韓国の名だたるスターが卒業生に名を連ねる、韓国の某有名大学教授が特にK-POPブームをぶった斬った。

「私は韓流ブームなど認めません」

 チャミスルでだいぶ酔いが回っているのか、語り口がストレートだ。

 「韓流ブームは’80年代の韓国車と似ている。さしてオリジナリティがあるわけではないが、輸出さえ上手くいけば良いので、ひたすら同じものを作っては売り、作っては売ることに全力を注ぐ。韓流、特にK-POPなどは完全にそれを踏襲している。見た目の良い人間を集めて、レッスンを施し、適当な歌をあてがってデビューさせ、極限まで利益を上げてはポイ捨てし、次の『商品製作』に取りかかる。ここ数年、それの繰り返しです。もはや音楽文化ではなく資本主義そのものです」

日本の音楽を公に聞けない時代、八代亜紀を密かに聞き続けていたという教授は、音楽は文化伝導の役割を果たすべきだと主張する。教授はSPA!読者とほぼ同年代。八代亜紀は若干古い気がするが……。

「古くたっていい。八代からは日本の心が感じられたから。それを通じて日本の文化や生活感情を学ぶことが多かったのです。ところが今のK-POPから、韓国のことがどれだけ伝わりますか? 映画『ラスト・サムライ』や『SAYURI』は、セリフは全部英語だがかろうじて日本のことは伝えている。K-POPは歌詞こそ韓国語だが、そこに込められたものは韓国的とは言えません。今のままでは商業主義的な醜さしか伝わらないと思います。行きすぎたブームによって、日本人が韓国について誤解し、嫌悪するようなことになったら非常に悲しいです」

 ところで韓国では、韓流について文句を言ったら責められたりしないのか?

 「全然。言う人は堂々と言ってますよ」

ここから、教授の「持論」が始まった。

 「今後長い年月のうちに、中国が北を完全に取り込み、韓国に侵攻してくることだってありうる。そこでカギとなるのが、『韓流』ではなく『南北流』を作り上げることです。北と共同戦線を張って一体化した文化を作り上げれば、政治的な干渉を防ぐ力に十分なりうると私は思います。もともと、同じ民族なのですから」

文化からの統一が必要、という教授の主張はきわめてまっとうである。ただ記者には、北と南のエンタメに共通点を見出すのは非常に困難に思えるが……。

 「実は、私自身もまったくイメージがついていません……チャミスル ト チュセヨ!(チャミスルもう一本ください)」

南北分断も孕むあたり、韓流ブームがあらゆる意味で興味深いものに思えてくる。ともかく、韓流ブームの推移を見守りたい。

取材・文/玉

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