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ゲリラ豪雨による「都市水害」から身を守る方法は?

ゲリラ豪雨

Twitterにもゲリラ豪雨の凄まじさが続々とアップされた(http://togetter.com/li/528196)

 梅雨明けから数日、ゲリラ豪雨(短時間に局地的に降る、予測困難な豪雨)が心配な時期になってきた。  6月25日にも、ゲリラ豪雨の影響で新宿駅が冠水、多くの画像がTwitterなどに投稿されるという事態になった。  車道で冠水した乗用車が取り残されたり、地下鉄や地下施設などで水死者が出たりするなど、アスファルトやコンクリートで覆われた都市部ならではの「都市水害」が深刻になっている。もし、通勤中にゲリラ豪雨におそわれたら、どの様に身を守ればいいのだろうか? 「激しい雨が降り始めたら、短時間で通りすぎるので、雨宿りをしてやり過ごすことが基本です」とは、防災・危機管理アドバイザーの山村武彦氏。  ゲリラ豪雨のなか移動する行為は「マンホールや側溝のフタが外れていることがあり、落下して大怪我や命を落とす危険性があります」という。この危険性は特に都市部で大きく「アスファルトに覆われ、水を吸い込む土の少ない都市部では、排水能力が追いつかずに降った雨があふれる『内水氾濫』が起きる可能性が高い」ため、注意が必要だ。 ◆特に気をつけるべき場所 「低地帯や坂の下は要注意。車が浮いてしまったり、地下が水没したりする可能性があります。また、大きい河川よりも小さい河川が危険です。排水能力が間に合わず氾濫しやすくなります」というので、勤務地や住居の周辺の河川については確認しておきたい。  さらに通勤中には、「地下鉄などの階段に水が一気に流れこむことがあります。完全に水没しなくても、水流は激しく、階段をのぼれない勢いです」という点にも気をつけたい。地下街にいるときに降り始めたら「なるべく高い階に移動しておくとよいでしょう」とのこと。 ◆ゲリラ豪雨を事前に知る方法  そもそも、ゲリラ豪雨はなぜ起きるのか? 「この時期は、上空の冷たい空気と、南からの湿った空気が混じって大気が不安定になっています。そこで、積乱雲が急速に発達することで局所的に雨が降ります」。さらに、「台風が発生したときには、離れていても前線が刺激され、ゲリラ豪雨になりやすくなっています」とも。  予測が困難とされているが、現在地周辺でゲリラ豪雨が降るかどうか、事前に知ることはできるのだろうか? 「ゲリラ豪雨は、大雨注意報や突風注意報が出ているときに降りやすいです。また、気象庁の『レーダー・ナウキャスト』で60分先まで5分ごとのピンポイント降雨予測(雷や竜巻も)を、パソコンやスマホから確認することができます」。  さらに、スマホがなくてもいくつかの予兆現象から警戒することも可能だという。「冷たい風が吹き始める。黒い雲が近づき急に空が暗くなる。雷鳴や稲光が近づいてくる。これらの現象が確認できたら、警戒した方がよいでしょう」。  ゲリラ豪雨は、午後の1時~4時に起きやすいという。繰り返しになるが、ゲリラ豪雨のときは慌てず、2階以上の屋内で雨宿りが正解だ。通勤中も休日も落ち着いて行動し、思わぬトラブルに巻き込まれぬよう、十分に注意してほしい。 <取材・文/林健太>
山村武彦

山村武彦氏

【山村武彦氏】 防災システム研究所所長。防災・危機管理アドバイザーとして、東日本大震災ほか国内外の被災地にて救助活動・調査活動をおこなっているほか、テレビや講演会などでの啓蒙活動も務める。近著に『「近助の精神」近くの人が近くの人を助ける防災隣組』、『富士山の噴火は始まっている』など。 http://www.bo-sai.co.jp/
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災害発生時に常識とされている対応の意外な誤りや、通常のマニュアルにはないが、効果的だった対策を、実地調査に基づいたエピソードを交えて紹介

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