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「キャンディークラッシュ」や「Deemo」が日本で成功した理由とは?

ゲーム大国として知られる日本で、勝負を仕掛ける海外ゲームメーカーは後を絶たない。彼らの日本市場での勝算を分析する。 ⇒【前編】『海外ゲームメーカーは日本で成功するのは難しい!?」』https://nikkan-spa.jp/648162 ◆日本でもヒットする海外ゲームアプリとは? 海外ゲームアプリ 日本で失敗したメーカーがある一方で、成功しているメーカーも存在する。海外のゲーム事情に詳しいライターの長谷部善之氏が最近注目しているのは、『キャンディークラッシュ』を展開するKingだ。 「『キャンディークラッシュ』は無料で遊べますが、アプリ内で課金を行うことで、便利なアイテムも購入できます。日本でもおなじみのシステムですが、課金しなくても十分に遊べるゲームバランスが、ヒットの一因を担っていると思います。日本人は嫌儲な人が多いので、見え透いた課金システムは嫌われますから(苦笑)」  King日本オフィスの代表取締役・枝廣憲氏も、「何よりもユーザーフレンドリーであることが大勢の方に受け入れられた要因だと考えています」と分析する。  また、長谷部氏は『Deemo』を作った台湾企業“Rayark”のように、「日本のゲームを知って開発することもヒット作を生み出す秘訣」と語る。 「“Rayark”は開発メンバーこそ少ないですが、その中には日本のゲームで遊んだ人がたくさんいます。そのため、日本人の好みのツボをよく押さえていて、特に世界観がしっかりしている。それも、ストーリーが理解しやすいところがまたポイントです」 『キャンディークラッシュ』のように“日本人にも受け入れられるもの”を作るのか、『Deemo』のように“日本人に受け入れられやすいもの”を作るのか。企業によって戦略は異なるだろうが、枝廣氏は「海外と日本のコンテンツの差別化が今後限りなくゼロに近づいてくるのでは」と指摘する。 「現在デバイスは、多岐にわたってグローバルなハードが普及しています。ソフトに関しても、日本の皆さまに受け入れられるように工夫して開発することで、国外・国内という概念そのものが薄れて、世界的なヒット作を生み出すことができるのではないでしょうか」  海外ゲームアプリメーカーの日本での新たなチャレンジは、始まったばかり。今後どのようなコンテンツが作られるのか楽しみだ。 【Monument Valley】iPhone ●ustwo(イギリス)/400円 視覚トリックを使った美しいビジュアルが印象的なパズルゲーム。独特の世界観に全世界が賞賛し、アメリカの有料ゲームランキングで最高1位を獲得。無料ゲームが人気の日本においても、最高4位を記録するなど結果を残す 【2048】iPhone/android ●Ketchapp(イタリア)/無料 4×4マスの中で、数字が書かれたパネルを上下左右に動かし、同じ数字のパネルを合わせて最終的に“2048”を目指す。世界中のユーザーが熱狂しており、日本ではiOS版の無料ゲームランキングで19位まで順位を上げている 【Blek】iPhone ●Denis Mikan(オーストリア)/100円 指で描いた軌跡で動き出す線を使って、ターゲットを消していくパズルゲームで、長谷部氏が日本でのヒットを期待する1本。海外ではすでに高い評価を得ており、アメリカやイギリスでは有料ゲームのランキングで1位に輝く名作 ⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=648197 【長谷部善之氏】 iPhoneやAndroidなどのアプリを1万本以上所有しているIT&ゲームライター。英語が得意で、海外のゲーム事情に明るい 取材・文/黒田知道 ― 海外ゲームアプリの日本市場での勝算は?【2】 ―
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