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ソシャゲ依存で課金に80万円…離婚危機でもやめられない40代男性の嘆き

依存症は、酒や薬物などの物質が引き起こす印象が強いが、近年では、本人の意思の問題と思われてきた痴漢や万引などの行為も、治療が必要な依存症と捉えられている。“新型依存”とも言うべき新しいケースは次々と増え続けている。
シミュレーションゲーム

高本さん(仮名)がハマっているシミュレーションゲーム。一度に渡すと全額課金するからと小遣いは嫁に管理されている

アイテム欲しさに80万円を使い込みあやうく離婚の危機

 スマホやタブレットで気軽に遊べるソシャゲ。だが、アイテム欲しさに気づけば何十万円と課金していたケースも。機械メーカーに勤める高本佳和さん(仮名・41歳)も、「FOOTBALL DAY」というサッカーチーム運営ゲームにハマったひとりだ。 「一日4~5時間はやってますかね。外回りをサボって、営業車の中でこっそりプレイするのが日課になってます」  会社では上司にいびられ、家では育児疲れの妻から八つ当たりされる生活に嫌気が差し、現実逃避として始めたのがきっかけだった。 「ほかのプレイヤーに勝ちたくて有料ガチャを一日何度も回し、貯金口座の80万円を1年で使い込んだのがバレたときは、さすがに嫁が激怒。一時は離婚の危機でした」  ソシャゲ禁止令が出されるも、3日たつとイライラして貧乏揺すりが抑えられなくなり、子供にもキツく当たってしまうことも。今は月の小遣い3万円で電子マネーのプリペイドカードを購入し、ソシャゲ課金生活を継続中だ。家庭と天秤にかけても、彼の目が覚めることはしばらくなさそうである。 ●斉藤章佳氏の解説  ギャンブルは負けが込んだ状態から一転して勝ったとき高揚感や興奮度が高まる。これを「間延びした強化」といい、有料ガチャも絶妙な確率で当たるよう計算されているのでしょう 【斉藤章佳氏】 精神保健福祉士・社会福祉士。大森榎本クリニックでソーシャルワーカーとしてさまざまな依存症治療に携わる。著書に『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス) ― 急増する[新型依存症]が危ない ―
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