庭の汚染土を東電に持ち込んだ男の言い分
◆庭の汚染土を東電に持ち込んだ男 VS 東電社員
福島第一原発から約130km離れたX市に住む会田ゲンさん(仮名・39歳)は、購入した線量計で庭の土を計測。0.5マイクロシーベルトという数値に驚き、庭の汚染土を土嚢に詰め、引き取ってもらうべく東電に向かった。以下、東電職員とのやり取りである。
ゲ 「庭を掃除して出た放射能だから、引き取ってください。東電さんの事業で出たゴミですよ」
東 「国が汚染土の処分方法を検討中ですので、決定するまで当社は何もできません。お困りのご家庭にアドバイスしているのですが、庭の隅に深い穴を掘って……」
ゲ 「そんなのイヤです! 自分で出したゴミ、というより毒でしょ。そんなの家に置いておけないよ」
東 「線量計をお借りしてもいいですか。(ゲンさんから線量計を借りて計測。0.9を示した一つの土嚢を指す)これなら数値も高いし引き取っても……」
ゲ 「政府が検討中の除染基準1マイクロシーベルト以上(9月中旬時点)って、そういうこと?」
東 「とにかく当社へのゴミの持ち込みはご容赦ください」
ゲ 「じゃあ、あなたの家に穴掘って埋めてくださいよ」
東「……個人としても引き取れません。ご理解ください」
ゲ 「理解できません!」
押し問答の末、土嚢を置いて強引に立ち去ったというゲンさん。持ち込んだ土嚢の行方は不明なままだ。ただし、こうした行為は東電への業務妨害になりかねない。くれぐれもマネはしないように。
― 放射能除染をめぐる(狂)都市伝説徹底ルポ【6】 ―
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