アラサー世代の夜の蝶が百花繚乱“姉系”キャバの歩き方

 女と畳は新しいほうがいい――ということなのか。更年期障害で錯乱した行きつけのスナックママが、古参のアルバイトレディを一斉解雇。平均年齢を8つも下げて、メンヘラ気味の金髪フリーターや自分探し女子大生を大量投下。一回り以上年下の娘に太田裕美「木綿のハンカチーフ」などリクエストできるはずもなく、ももクロのマイナーナンバーを熱唱されて、思わず安酒を痛飲する始末だ。

 スナックに限らず、若者がキャバクラを離れて久しい昨今、客の平均年齢の上昇に合わせて、口説きたくなるキャバ嬢の年代も上がってくるのは自然の摂理。そんな需要の変化に応じてか、近頃夜の世界では、アラサー女子をセンターに据えた“姉系”なる店が急増している。実情を探ってみた。

同じ目線のトークに“恋したい”感が倍増

小鳥遊

「年下のSっ気のある男性がタイプ」(写真右:なほ)、「実はFカップあります」(写真中央:まりな)、「いきものがかりにも似てるって言われます」(写真左:なおみ)

 まず訪れたのは上野駅不忍口から徒歩30秒。7月にオープンしたばかりの姉系ラウンジ「小鳥遊」。

 店に入った右手には、ビルの高層から上野公園の夜景が一望。“大人の男女の密会”ムードを盛り上げてくれるロケーションだ。

 席についたのはまりなちゃん(31歳)、なほさん(41歳)、なおみちゃん(31歳)の3人娘。「理想の男の年齢は?」と質問すれば「上は60歳までオッケー。彼氏募集中です」(なおみ)とか。

小鳥遊

どの女のコとも5歳以上離れていない。その近さに妙な安心感が……

「そんな平井理央みたいな顔して、オトコいないわけないでしょ」とツッコめば、「えっ? 本当ですよ。どうしたら口説いてくれるんですか?」と真顔でお返事。騙されてるとわかってても、本気になりそうな気分にさせてくれる。

「30代になって、男性とのトークも、自分だけが楽しみたいってことより、『どうすれば楽しんでくれるかな?』ってことに気を配るようになりました」(まりな)

「~と思いません? スギナミさん」などと節々に名前を入れてくる彼女の会話に「俺だけに語ってくれる」感が強まる。「気持ちいい男女のコミュニケーションは、ムリのない年齢差から生まれる」ことを実感しつつ店をあとにした。

【後編】に続く⇒

小鳥遊【小鳥遊】
台東区上野4-10-5 上野世界ビル8F
電:03-5817-6071
営:19時~LAST 18時半~LAST(土月祝)
料:30分2800円~ ドリンク各種1000円~ キープボトル5000円~
毎週木曜にはプロダンサーによるショータイム
●「SPA!見た」でボトルサービス

スギナミ 東京都生まれ。主な出没地域は中野、高田馬場の激安スナック。特技は「すぐに折れる心」
スギナミの他の記事