六本木で体験できる贅沢! 何かと誤解されがち? オトナの男性もハマるテキーラの真の魅力

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今年10月に25周年を迎える「AGAVE」を紹介する

 昨年8月から担当してきた「私の夜」だが、今回でラスト。約1年弱と短い期間だったが、これまでワインバーや日本酒専門店など、酒好きらしくお酒にこだわりを持った名店を巡ってきた。

 しかし、酒好きには定番のお酒ながら、まだ未履修のお酒がある。「テキーラ」だ。ショットで一気飲みした経験はあるが、その奥深い本質を味わったことも、流儀を教わる機会もなかった。そこで最後はテキーラ好きの“聖地”という六本木のバーの門を叩いた。

本物のテキーラは二日酔いしない!

AGAVE_02 今年10月に25周年を迎える「AGAVE」は、“リアルメキシコ”がコンセプトのアカベスピリッツバー。メキシコに何度も足を運ぶほど、テキーラを愛する店長の鶴巻大地郎さんが語る。

「テキーラなどアカベスピリッツはアロマが多様なので、当店では基本的にスニフターというグラスで提供しています。膨らみのあるグラスのほうが、ショットグラスより香りを感じ取りやすいので」

 メキシコを中心に分布する多肉植物「アガベ」の中の「アガベ・アスール」という品種を原料とする蒸留酒「テキーラ」。クラブでパリピが飲むお酒、罰ゲームで飲むお酒のイメージが強いが、繊細な味わいを楽しめるお酒のようだ。

テキーラはドライフルーツやチョコレートと相性抜群。昔はテキーラが水牛の角の杯で飲まれ、それが現在のショットグラスの原型になっているとか

「私自身、初めて本格的なテキーラを飲んだときは、しっかりとしたコクや飲みごたえ、スムーズな飲み口に驚いた経験があります。テキーラはメキシコのハリスコ州テキーラという地域から生まれた蒸留酒。同じくアガベ原料の蒸留酒で人気が高まっている『メスカル』や元密造酒の「バカノラ」と「ライシージャ」などを合わせ、アガベスピリッツと総称しています」

 常時500種類以上のアガベスピリッツを揃える同店。ここでしか飲めない一杯を求めて訪れる客も数知れない。

「100%アガベテキーラは、アルコールが残りにくく、二日酔いしにくいのも魅力。ストレートでこんなにスイスイ飲める蒸留酒は、他にないと思っています」

 普段の接客では客の好みを聞き、お酒をおすすめすることも多いという。早速、赤ワイン好きの私におすすめのテキーラを教えてもらった。

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「トレスムヘレス エクストラアニェホ」(一杯2600円)赤ワイン好きにはたまらない! 赤みを帯びた濃い琥珀色のボトルの長期熟成のテキーラ。フルーティーな風味を楽しめる

「赤いボトルが印象的な『トレスムヘレスのエクストラアニェホ』はいかがでしょうか。フルーティーな甘味が特徴でテキーラ初心者にもおすすめしやすい一本です。テキーラをグレープフルーツジュースとトニックウォーターで割り、ライムや塩を加えた『パロマ』など、カクテルもご用意しています。『パロマ』はこれからの季節にぴったりの一杯で、現地でも最もメジャーな飲み方のひとつです」

 連載は終わるけど、テキーラ片手に過ごす「私の夜」は、まだまだ始まったばかりだ。

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グランオレンダイン エクストラアニェホ(一杯1800円)ソーダ割りでもイケる“アガベ感” アガベ由来の香りを堪能できる3年熟成のテキーラ。甘すぎず、食中酒としても飲みやすい


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ライシージャ(一杯6000円)本国でも貴重なマニア垂涎の一本 古い歴史を持つアガベ原料の蒸留酒。’19年に原産地呼称を取得し、野生酵母・長期発酵由来の複雑な旨みが魅力


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リアルミネロ(一杯3800円)メスカルブームこれ飲めばわかる これを飲めばメスカル特有の発酵感やコク、旨みの強さを堪能できる。日本ではかなり入手困難なメスカルだ


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クラセアスール レポサド(一杯4400円)テキーラにハマる覚悟で飲んで! テキーラの概念が変わるほど甘くて飲みやすい、短期熟成のテキーラ。リピーターも多く入り口としても間違いなし

「AGAVE」
住:東京都港区六本木7-18-11 DMビル B1
営:月〜木 18時半〜翌1時。金・土 18時半〜翌3時
休:日曜
https://www.facebook.com/AgaveRoppongi
ラストオーダーは閉店1時間前

撮影/鈴木大喜

メルロー 無類の酒好き女子。特にワインには目がない。自分よりも酒が強い男性に惹かれやすい
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