「逮捕のリスクもあるのに日当1万円」ディーラーが語る裏カジノ今昔物語
野球賭博に裏カジノと、今年は違法なギャンブルに関連した話が騒々しい。だが、現在の裏カジノはかつてほどは“華やかな世界”ではないようで……。
「昔のカジノって、店も客もなんでこんなにカネあんの?ってくらい、イケイケな雰囲気だった。でも、今は店も客もシブチンだよ」と嘆くのは現役でディーラーとして現場を仕切る星川靖さん(仮名・43歳)だ。
「ディーラーのギャラも随分と安くなった。20年前はどんなヘタクソでも日当は5万円くらいあったけど、今なんか1万円ちょっとの店もある。パクられるリスクや店に落とす利益を考えたら、ディーラーの日当1万円ってバカにしてんのか?って金額だよ」
従業員への締め付けだけではなく、客へのサービスも今と昔ではかなり違うという。
「昔はタバコも酒も食事も全部タダ。でも今はタバコは銘柄も少なくして1箱までとかね。札幌のカジノは寿司職人が常駐してたし、大阪は鉄板焼きが楽しめるカジノもあった。サービスはケチったらアカンよな」
鉄火場を盛り上げる豪気な客も減り、盛り上がりに欠ける日もあると星川さんは溜め息をつく。
「連日突っ込んで最終的に億単位のカネの回収に発展したレコード会社の社長とか、カジノ好きが高じて、裏でカジノを開いた大手飲食チェーンの社長もいた。そんなヤツらがその辺の若いヤツに混じってバカラとかやってんの。イイ時代だったよ、あの頃は」
若かりし頃を語る星川さんの楽しげな顔に、どこかさみしさを感じた記者であった。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
【関連キーワードから記事を探す】
裏カジノで借金50万円、高級ソープ店に就職させられたギャンブル依存症
コロナで街が死滅するも「違法カジノ」は盛況、“三密”具合は最悪
106億円負けた男が語る、カジノの魅惑「70万円が4000万円になったことがきっかけで…」
罪悪感なく“裏カジノ”にハマる会社員たち「外回りの合間に行くと気分転換になる(笑)」
裏カジノで200万円をスッた男の悲劇――中国赴任中に味わった高揚感、帰国したら足を洗うつもりだが…
「営業成績」が賭けの対象。職場で“野良賭博”に興じる営業マンたちの日常
「逮捕のリスクもあるのに日当1万円」ディーラーが語る裏カジノ今昔物語
バドミントン五輪候補選手が訪れた違法カジノはいったい何が「違法」なのか【コラムニスト木村和久】
違法賭博のバドミントン・桃田、田児選手の謝罪会見を分析。“微表情”のなかに「福島への罪悪感」も