巨人は4人目の発覚…野球賭博は「春夏の高校野球」で白熱する
プロ野球は開幕目前となり、春にはセンバツ高校野球をひかえる季節に。そんな矢先、昨年10月に発覚した読売巨人軍・福田聡志投手、笠原将生投手、松本竜也投手の3選手の野球賭博問題に続いて、新たに4人目となる高木京介投手の野球賭博関与が『週刊文春』の報道により明らかとなった。
野球賭博のルーツは、昭和の初め大阪の証券街である北浜で始まったという説と、1935年頃、甲子園球場付近の喫茶店で試合の勝敗でカレーライスを賭けることから始まったという二つの説があり、賭けの対象は現在の高校野球だった。
そして現在も、球児の汗と涙が爽やかな感動を日本中に巻き起こす高校野球は、野球賭博関係者にとって“稼ぎどき”となる。関係者のひとりはこう明かす。
「高校野球は野球賭博の世界ではお祭りごとだね。だからそうしたお祭りにかこつけて、普段から付き合いのあるカタギの社長連中からもカネをぶん取りやすい。出場校をいくつかの枠に振り分けてトトカルチョ形式にして『社長、ちょっと付き合ってよ』って具合に軽い感じで誘う。それでも総額にして1000万円は集まるね。そこからテラ銭で2割を抜いて、残金を元にオッズを割り振る寸法だよ」
こうした高校野球での賭博は、出身県への郷土愛から過熱しがちになるという。「地方の企業は全社をあげてのめり込むケースも多々ある」(同)とか。
野球賭博や八百長、暴力団との交際などを「有害行為」として分類している野球協約は、かつてセ・パの2リーグとなった際に制定されたものだ。こうして野球賭博が禁止事項として明文化されているにもかかわらず、新人選手にはこうしたルールを教える習慣がなく、昨年10月に野球賭博への関与が発覚し、NPBから無期失格処分が下された元読売巨人軍の笠原将生氏も、『週刊文春』(3月3日号)の取材では「現役時代、球団からは暴力団と交際してはいけないという指導は受けましたが、野球賭博について何か指導を受けた記憶はない」と語っている。
球界と野球賭博との関わりが初めて明らかにされた「黒い霧事件」はおよそ半世紀も昔のこと。当時の騒動を知らない若手選手が野球協約の有害行為について教えられていないとすれば、他のギャンブルと同じ感覚で手を出してしまうのも無理はないのだろうか。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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