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名古屋喫茶の雄「コメダ珈琲」上場で変わるカフェマーケット【コラムニスト木村和久】

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その124―

 個人的にも大好きなコメダ珈琲が、6月末に上場したけど、いつの間にでっかくなっていたのよと、びっくり仰天だ。現在、店舗数は700弱、将来は1000店を目指すというから、もう立派な大企業です。48年前に、名古屋で稼業が米屋だから「コメダ」にした喫茶店が、半世紀で東証1部に上場するとは。時価総額800億円越え。チェーン店化できる喫茶店の雛型を作れば、ぼろ儲け、ジャパニーズドリームのような話でございます。

写真はイメージです

 コメダの全国制覇は近いが、もろマーケットを食い合うのはスターバックスでしょう。こちらはすでに1000店越え、シアトルコーヒーの代表格、オサレ度100%で、若い女性を中心に根強い人気がある。

 これはコメダが「喫茶店」なら、スタバは「カフェ」、ここ10年ぐらいは、カフェ優位で動いて来たけど、ここで日本の古き伝統の喫茶店なるものが復権しつつあるのでしょう。喫茶店の美味しい部分を全部とりいれた、コメダの戦略はいかにだ。

 コメダ珈琲は、いわゆる名古屋メシ&サービスの典型的業態で、朝、コーヒーを頼むと、勝手にトーストとゆで卵がついて来るというもの。名古屋商売は質実剛健で、出したお金に対して、充分な見返りがあるのが特徴だ。昔、名古屋に仕事で通ってたので、恩恵を沢山受けていた。「天むす」は美味しくて、毎週食べていたし。おやつ代わりに食べていると、気づくと食事が終わっている。忙しいときには非常にありがたかった。ほか、うなぎのかば焼きを刻んで盛って出す、「ひつまぶし」も見逃せない。食べ方が、薬味を入れたり、お茶づけにしたりと、3パターンの食べ方があって、これでもう、お腹がいっぱいだ。そんな風土で培った名古屋喫茶である。

 コメダのメニューの代表格は女性向きのスイーツ、シロノワールなどだが、ほかに食べ物の類がごまんとある。カツサンドなんかでかくて食いきれないし、ビーフシチューなんかディナーになってしまうから。ほかにピザもあったりして、男性が食事を頼んでも、充分ガッツリ食べることができる。ただ惜しいのは、ライスがないこと。名古屋にはライスを出す、店もあるというのだが、これは今後の隠れメニューとして、登場を期待したい。

 要するに、コメダは日本の古き良き、喫茶店の文化を全部入れて、居心地良くした店舗といえばいい。

 だから喫茶店の定番、雑誌が山ほど置いてあり、ひとりで来ても充分暇つぶしができる。スマホ全盛の今、昭和の香りのする喫茶店が人気というのも、妙にホッとします。

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一方迎え撃つスタバは…

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