更新日:2022年07月24日 16:47
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嵐のまえの“サバイバー・シリーズ”――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第144回

 第2試合にはブルース&キース&ブレット&オーエンのハート4兄弟対ショーン・マイケルズ&ブルーナイト(グレッグ・バレンタイン)&レッドナイト(バリー・ホロウィッツ)&ブラックナイト(ジェフ・ゲイロード)のイリミネーション・マッチがラインナップされ、ヒール・サイドの黒、赤、青の3人の騎士が失格となったあと、チームリーダーのマイケルズは試合放棄(カウントアウト負け)を選択。ブレットとのリング上での接触を避けた。  当初、この試合のヒール・サイドのボス格はジェリー“ザ・キング”ローラーがつとめるはずだったが、ローラーが一般女性に対する傷害容疑でテネシー州メンフィスの警察に拘留(不起訴)されたため、ローラーの代打としてマイケルズが急きょ第2試合に出場。マイケルズが出場する予定だった第1試合のポジションにはマイケルズの元タッグパートナーのジャネッティが起用された。  イリミネーション・マッチは3-0のスコア(オーエンだけがマイケルズにフォール負け)でハート兄弟の勝利に終わったが、試合終了後、兄ブレットと弟オーエンが口論を演じ、ゲスト出場という形でこの試合に花を添えたふたりの兄、ハート家の次男ブルースと三男キースは不可解な兄弟ゲンカの仲裁にまわった。ブレットとオーエンの衝突は、それから数カ月後のオーエンのヒール転向、兄ブレットとの“近親憎悪ドラマ”の予告編だった。  第3試合ではボーナス・トラックとして南部のインディー団体SMW(スモーキー・マウンテン・レスリング)の提供試合がラインナップされ、ヘブンリー・ボディース(トム・プリチャード&ジミー・デルレイ)がロックンロール・エキスプレス(リッキー・モートン&ロバート・ギブソン)を下しSMWタッグ王座を獲得した。SMWのオーナーだったジム・コーネットは同団体消滅後、WWE傘下のファーム団体OVW(オハイオ・バレイ・レスリング)のプロデューサーとしてWWEと契約を交わした。
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