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「パソコンもカメラも買い直すしかない」――46歳のバツイチおじさんはインドのシリコンバレーを目指した〈第29話〉

街で出会った怪しいおっさん

このおっさん、見た目はめちゃめちゃ怪しいが、人懐っこくてどこか憎めない。 俺はこういう茶目っ気のある不良の大人が好きだ。 俺はこのおっさんが一体何者なのか?を解明することにした。 おっさん「ここがこの町でオススメのレストランだよ」 おっさんは安くてうまいローカルレストランに連れてきてくれたようだ。ミールと呼ばれる南インドの定食を注文し食べた。 俺「ビールないんだ?」 おっさん「飲みたいのか?」 俺「インド厳しいよね、お酒」 おっさん「飲めるとこあるよ。行きたいか?」 俺「行きたい!」 2人はそのままバーに入った。 おっさん「俺、カネないから奢ってくれるか?」 はい、きた。 噂に聞く“たかり”ね。 まぁ、案内してくれたから少しくらいはいいか。 俺「いいよ。俺、ビール買うけど何がいい?」 おっさん「ウィスキーの小瓶を」 そして二人で酒盛りを始めた。 おっさん「なんで世界一周してるんだ?」 俺「実は嫁に捨てられたんだよね」 おっさん「……そうか。いろいろあったな。実は俺も離婚したんだよ」 離婚の悲しみは万国共通のようだ。 おっさん「今宵は飲もう!」 俺「乾杯!」 おっさん「乾杯!」 それから店が閉まるまで離婚について語り合った。 このおっさん、なんか喋りやすい。つーか気が合う。 おっさん「お前、明日なにするんだ?」 俺「特に決めてないよ」 おっさん「じゃあ、俺がマイソールを案内してやるよ」 うーーん。 2日連続この怪しいおっさんはきついな。 俺「あ…でも、いいよ、悪いし」 おっさん「いや、俺は今、オフシーズンで暇だしいいよ」 俺「…うーん」 おっさん「お前のゲストハウスまで向かいに行ってあげるから」 酔ってきたし、楽しくなってきたし、ま、いいか。 俺「…じゃぁお願いしようかな」 ということで2日連続このおっさんと遊ぶことになった。 その夜、このおっさんが優しくしてくれる動機について考えた。 彼はなぜここまで親切にしてくれるのか? カネか? 親切か? それがわかるまでこのおっさんと遊んでみようと心に決めた。

酒を飲んで怪しいバツイチおっさんと盛り上がるバツイチおじさん

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翌朝11時、ゲストハウスの入り口で待っていると…
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