“金の卵”ロッキー・メイビアがデビュー ――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第236回(1996年編)
メイビアは2分18秒、トップロープからのフライング・クロスボディーでクラッシュをフォールし、さらに0分32秒、ショルダーバスターでゴールダストをフォール。6本目、7本目を連取し、4対4イリミネーション・マッチを制した。アリーナ席でかすかな“ロッキー”コールが起きたが、それは1万8000人のニューヨーカーが声をはり上げての大合唱にはならなかった。
メイビアはマイアミ大在学中、フットボールで活躍し、チーム(マイアミ・ハリケーンズ)を1991年のNCAA選手権優勝に導き、同大卒業後はCFLカルガリー・スタンピーダースに3シーズン在籍。1995年にプロレス転向を決意し、父ロッキー“ザ・ソウルマン”ジョンソンとパット・パターソンのコーチを受けた。
WWEと専属契約を交わしたのは1996年9月で、テネシーのローカル団体で“試運転”をすませたあと、いきなり“サバイバー・シリーズ”の大舞台でデビューした。
祖父は1960年代に一世を風びしたサモア人レスラーの“ハイチーフ”ピーター・メイビアで、祖母はハワイの大物プロモーターだったリア・メイビア。メイビア夫妻の娘アタとロッキー・ジョンソンが結婚し、生まれてきた長男がドゥエインだった。
サモアンとアフリカン・アメリカンの混血が、ドゥエインのカシュー色の肌をつくりだした。アメリカ人は、こういっためずらしいコンビネーションをピュア・アメリカンととらえる。ロッキー・メイビアというリングネームは、父ロッキーと祖父メイビアのファーストネームとラストネームをミックスしたものであったことはいうまでもない。
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