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RAW+Nitro=9%という数字を解読せよ――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第281回(1998年編)

 3.2“ロウ”(オハイオ州クリーブランド、ガンド・アリーナ)のハイライトは、プロボクシング元世界統一ヘビー級王者マイク・タイソンの同番組への2回めのゲスト出演とショーン・マイケルズ派閥DXとの緊急合体シーン。“汚れたヒーロー”タイソンはWWEの景色にすんなりと溶け込み、ライブの観客もそんなタイソンをWWEのいちばん新しい登場人物として受け入れた。  TVマッチのメインイベントにラインナップされた“ストーンコールド”スティーブ・オースチン対ケインのシングルマッチは、試合開始直前のDXの乱入行為によりストーンコールドが“負傷”。試合は不成立となったが、番組エンディングでは1.18“ロイヤルランブル”での“棺おけマッチ”以来、行方不明になっていたアンダーテイカーが1カ月半ぶりに“魔界”から地上に降臨して弟ケインと神経戦を演じた。  いっぽう、3.2“ナイトロ”(ペンシルベニア州フィラデルフィア、コア・ステート・スペクトラム)のメインイベントは、ハルク・ホーガン&スコット・ホールのnWoコンビがスティング&“マッチョマン”ランディ・サベージと対戦したタッグマッチだった。  同夜の“ナイトロ”では前年11月にWWEからWCWに電撃移籍したブレット・ハートが同番組での初めてのTVマッチに出場し、ブライアン・アダムスとシングルマッチで対戦(カート・ヘニングの乱入でブレットが反則勝ち)。  メインのタッグマッチ、ブレット対アダムスのシングルマッチがオンエアされたクォーター・アワーはいずれも5.3%の高視聴率をスコアした。ふり返ってみれば、1998年3月から4月までの1カ月間が“ナイトロ”の視聴率が“ロウ”のそれを上回った最後のピーク期だった。
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3.2“ロウ”の興行収益は…
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