同じ目標を持つ集団――連続投資小説「おかねのかみさま」
同日 22:35 銀座サーティーンスフロア
熟「それじゃみんなグラス持って。だいじょぶ?じゃあ乾杯しましょう。杉ちゃんおめでとー!」
嬢A~J「おめでとうございまーす♡」
杉「いや、はい。えぇ。ありがとう。はい。ウィス。」
沼「いやー、よかったですね。ひとまずスタート地点に立つことができて。これで杉ちゃんも僕らのなかまです!」
嬢C「すてきー♡」
杉「あ……ありがとうございます」
沼「シャンパンもうないね。もう一本、おなじの。」
熟「はーい」
死「コチラデ」
沼「速!!!ママさんこのひとすごいね!新人さん!?」
熟「ガミちゃんすごいんですよ。気が利くの。しかもちゃんと冷えてるの」
死「オソレイリマス」
美「そうだ。えーっと、ぬまぬまに質問があるんだけど、いいですか?」
沼「いいですよ!なんでも!」
杉「……」
美「ぬまぬまの会社は、なんでそんなにお金が入ってくるんですか?」
熟「ちょっと!美琴ちゃん!」
沼「すごい!いやーすばらしい!いろいろ取材とか受けるけど、こんなに直球で聞いてくる人はいなかった!」
死「…」
沼「彼女がこれだけ真剣に聞いてくれるということは、僕も真剣に答えなきゃいけませんね」
死「ゴクリ…」
沼「あの、もうちょっとそっちのほう行ってもらえますか?」
死「カシコマリマシタ」
沼「そうですね、まず、僕は人に恵まれています。次に、会社というのはみんなで目標を持って叶えていくものだとおもいます。つまり、同じ目標をもった集団の中には大きな力が宿るんです。だから一人ではできなかったこともできるようになる。もちろん僕一人でもできないことも、みんなと力を合わせて乗り越えていけるようになる。そういうことの連続で、次々に階段を昇っていくんです」
死「クハー」
美「すごい。なんか勇気が出る気がする」
沼「でしょー。だから僕はいつもみんなに感謝しています。たとえば……」
杉「沼貝さん」
沼「はい」
杉「もしその同じ目標を持った集団の中に、裏切り者が出たらどうしますか?」
沼「すぐに排除します」
美・死「!!!」
沼「と、言いたい所だけど、排除すると逆に遺恨が残るんですよね。だからゆっくり対話して、お互いの誤解をなくした上で距離を置きます」
杉「じゃあ、対話しても無駄だった場合はどうしたらいいんでしょう」
次号へつづく
【大川弘一(おおかわ・こういち)】
1970年、埼玉県生まれ。経営コンサルタント、ポーカープレイヤー。株式会社まぐまぐ創業者。慶応義塾大学商学部を中退後、酒販コンサルチェーンKLCで学び95年に独立。97年に株式会社まぐまぐを設立後、メールマガジンの配信事業を行う。99年に設立した子会社は日本最短記録(364日)で上場したが、その後10年間あらゆる地雷を踏んづける。
Twitterアカウント
https://twitter.com/daiokawa
2011年創刊メルマガ《頻繁》
http://www.mag2.com/m/0001289496.html
「大井戸塾」
http://hilltop.academy/
井戸実氏とともに運営している起業塾
〈イラスト/松原ひろみ〉
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