更新日:2022年08月28日 09:20
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なぜ「自国愛を強調しすぎている人たち」に違和感を持ってしまうのか?

 しかし、愛国心とナショナリズムにも肯定できる部分があると津田氏は指摘する。 「極端な愛国心とナショナリズムに問題はあります。しかし、多くの国民が五輪で日本を応援するといったような行動は必ずしも否定できないはずです」  18世紀の英国の文学者、サミュエル・ジョンソンは「愛国心はならず者の最後の隠れ家」という有名な警句を残した。そのまま読むと、愛国心を否定しているように聞こえるが、実際はそうではないと津田氏は言う。 「彼の目から見て批判したのは愛国者を偽って金儲けをしている人たちのことです。真の愛国者は金儲けに愛国心を利用しなかったと彼は言いたかったはずです」  そもそも目には見えない愛について、ドイツの政治哲学者、ハンナ・アーレントも「公の場で愛を語った瞬間、愛は死に向かう」という趣旨の言葉を残しており、愛と同様に愛国心も公共の場に持ち込んだ瞬間、偽善的になると指摘している。  愛国心とナショナリズム自体は危険ではない。それが過剰になったり、公の場で声高に叫ぶことで危険な考えに変わってしまうのだ。 【津田正太郎教授】 ’73年生まれ、法政大学社会学部メディア社会学科教授。専門はマスコミュニケーション論、ナショナリズム。近著に『ナショナリズムとマスメディア 連帯と排除の相克』 取材・文・撮影/野中ツトム・岡田光雄・福田晃広(清談社) 加藤 慶 鴨居理子 永田明輝 森 祐介 渡辺秀之 スギゾー 写真/AFP=時事、時事通信社 ― “愛国者”の暴走が止まらない ―
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