文科省は靖国神社を差別していた。行政のチェックは政治家の役割【評論家・江崎道朗】
―[江崎道朗のネットブリーフィング]―
【江崎道朗のネットブリーフィング 第16回】
トランプ大統領の誕生をいち早く予見していた気鋭の評論家が、日本を取り巻く世界情勢の「変動」を即座に見抜き世に問う!
学校行事として靖国神社、護国神社に行ってはいけない?

江崎道朗(撮影/山川修一)
半世紀ぶりに、学校行事として靖国・護国神社訪問は解禁へ
文科省の不作為を問題視した衛藤晟一議員は平成20年3月27日、参議院文教科学委員会においてこの禁止条項について質問したところ、渡海紀三朗文部科学大臣は「該当項目は既に失効している」と、初めて公式の場で表明した。
この答弁によって敗戦以来半世紀ぶりに、学校行事として堂々と児童・生徒は靖国神社や護国神社を訪問することができるようになった。
さらに学校において靖国神社など特定の施設について「批判的な授業」を行うことについても、渡海文部科学大臣は「国公立学校は宗教に対する援助や圧迫などに当たる活動は禁止されている」のであって、靖国神社を誹謗するような「差別的な扱いは解釈を押し付けることになり、好ましくない」との認識を示した。この答弁によって、学校において、靖国神社や護国神社について誹謗・圧迫するような授業は行ってはならないことが明確にされた。
もっとも「それでは、いつ失効したのか」との質問に対しては明確な答えが返ってこなかった。子供たちに学校行事として靖国神社に行ってはいけないと禁止しておきながら、その禁止条項がいつ失効したかは判らない。そんな馬鹿なことがあるかと問題視したが、元経済産業大臣の平沼赳夫衆院議員だった。
平沼議員は早速質問主意書を提出。政府は平成20年5月23日付で閣議決定した答弁書の中でこう答えた。
「日本国との平和条約の発効により我が国が完全な主権を回復するに伴い覚書が効力を失ったことをもって、失効したものと考える」
要するに昭和27年(1952年)4月28日の独立と共に「失効」していたのに、文科省は戦後半世紀以上も、放置してきたのだ。
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(えざき・みちお)1962年、東京都生まれ。九州大学文学部哲学科卒業後、石原慎太郎衆議院議員の政策担当秘書など、複数の国会議員政策スタッフを務め、安全保障やインテリジェンス、近現代史研究に従事。主な著書に『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(いずれもPHP新書)、『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』(いずれも扶桑社)ほか多数。公式サイト、ツイッター@ezakimichio
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