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初代タイガーマスク・佐山サトル、暴走する愛国者に危機感「もっと“文化的右翼”たれ」

森友学園や教育勅語の問題など昨今、自称“愛国者”たちが騒がしい。その言動は“健全なナショナリズム”の範疇を逸脱し、逆にこの国を歪めてはいまいか? この国の形を改めて考える――

初代タイガーマスクが語る「右翼論」

佐山サトル氏

佐山サトル氏

 昭和のプロレスで一世を風靡した初代タイガーマスクこと、佐山サトル氏。現在は心武一体型武道「掣圏真陰流」興義館の総監に就任し、武士道を基本とする“佐山思想”の啓蒙活動に力を注いでいる。そんな彼もまた、暴走する愛国者に対し、危機感を覚えている一人だ。 「少し前に大阪の塚本幼稚園の教育勅語暗唱が問題になりましたが、そもそも教育勅語とは明治天皇が父母への孝行や兄弟愛、遵法精神など12の道徳を示した規範書です。悪いものではなく文化的に評価すべき書ですが、園児に集団暗唱させるのはちょっと年齢的に早すぎる気がします。教えるにしても、もっと思考能力が備わった年齢になってから教えるべきですよね」  また、行動する保守のような差別的、かつ過激な右翼思想に染まった人々についてもこう分析する。 「パチンコ利権や韓流ブームをきっかけに、日本社会において韓国人のみなさんが力を持ちすぎたと思っている人が増えました。在特会はそれに対する強烈な反発だと考えますが、彼らがやっているヘイトスピーチは日本の地位を貶めて世界から軽蔑されるだけです。だから、僕は右翼よ、もっと“文化的右翼”たれ、と思っています」  極端な思想は差別や負の連鎖を生むだけ。では、佐山氏の語る「文化的右翼」とは何だろうか。 「例えば私たちは甲子園に地元の高校が出場していれば、母校以外でも自然と応援しますよね。この普遍的無意識こそが、日本を支える国体であり、文化なのです。今、世界を覆っているのは自由と平等のグローバル思想ですが、文化的右翼とは武士道の『神儒仏融合体(神道、儒教、仏教)』の精神と、グローバル思想の優れた点をバランスよく学ぶことができる人物。日本の右派は気負いすぎて自己主張がすぎるんです。グローバル思想に染まっては絶対ダメですが、和合の精神を見習い、もっと互いの優れた点を理解すべき!」  英雄タイガーマスクの熱い持論に、日本の右翼はどう答える? 【佐山サトル氏】 武道家、掣圏真陰流興義館総監。初代タイガーマスクとして活躍後、日本初の総合格闘技「シューティング(現・修斗)」を創始。精神武道を追究する思想家でもある ― “愛国者”の暴走が止まらない ―
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