ウルフルズの25周年を本人自ら振り返る「俺らの世代はお金を稼いだ。だから味をしめてると思う」
このキャリアで、この年齢で、なぜ今こんなに、いきいきとしていて生命力に満ち溢れた音楽を作ることができるのか――。聴くとそう問いたくなるニューアルバム『人生』をリリースするウルフルズ。4年半の活動休止期間を経つつもデビュー25周年を迎えた今、彼らは何を感じているのか。トータス松本とジョンBの2人に迫った。
――奥田民生さんもそうですが、50歳前後のミュージシャンがこんなに大勢第一線で活躍している時代は、これまでなかったと思うんですよ。この現状をどう思いますか?
トータス:それ、俺はむしろ下の世代に聞きたいね。「俺らのこと、どう思ってる? すごい邪魔?」って。俺らは上の世代がそんなおらへんかったからね。(忌野)清志郎さんは俺が25歳でデビューしたときは40歳やん。考えてみたら今の俺より10歳若い。でも、今の若いミュージシャンからしたら、自分らの上に魑魅魍魎が居座り続けているわけで(笑)。
――では、同世代のなかでも刺激を受ける人を挙げると?
トータス:(斉藤)和義くんとかはのんきにやってるようであがいてる感じがあるよね、いい意味で。あと(甲本)ヒロトさん。クロマニヨンズが十何年目やけど、通算アルバム枚数見て「ええっ!?」てなったもんね。「毎年出してるやん」みたいな。
――50歳前後の人たちがずっと活躍できる理由って、なんですかね?
トータス:う~ん。やっぱり、なんやかんや言っても俺らの世代はお金を稼いだんよ(笑)。だからね、味をしめてると思うねん。
――身もふたもない(笑)。
トータス:だから味をしめて悪あがきしてるんやないかな。若いヤツらは「わりとツラいぞ、この世界」みたいなところで始めてるから、脱落者も多かったと思う。で、もっと若いヤツらは生まれた時から日本が不景気やったから、お金持ちになろうなんて夢は持たずに始めてるかもしれへんし。俺らはめちゃめちゃ夢を見たのよね。だからしぶとい(笑)。
ジョンB:やっぱりスポーツ選手とは違うもんね。そこが。
トータス:そうそう。この前YOSHIKIさんのインタビュー読んだら、すごいええこと言ってて。「ミュージシャンっていうのはピークがわからん」って言うのよ。’90年代のあの時代がピークって言われたらピークかもしれへんけど、自分的には今がピークやと。で、本当のピークはこれから来るかもわかれへんし、ピークがいつかはわからへんねやと。
ジョンB:年取るごとにかっこよくなる人もおるしね。
トータス:だからみんな「まだピーク来てないぞ、俺」って思ってんのかな? ニール・ヤングで言ったら『アフター・ザ・ゴールドラッシュ』と『ハーヴェスト』、あれが絶対ピークやん。でも本人はたぶん、まだピーク来ると思ってやってるわけやん、あの感じやと。だからミュージシャンっておもろいよね。
※このインタビューは5/23発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです
【ウルフルズ】
’88年、大阪にて結成、’92年デビュー。’95年のシングル「ガッツだぜ!!」と翌年のアルバム『バンザイ』が大ヒット。’09年に活動休止するも’14年に再始動、5 月24日リリースの『人生』は以降3枚目のフルアルバムにあたる
取材・文/兵庫慎司 撮影/菊竹規 スタイリング/堀井香苗 衣裳協力/ TOMORROWLAND
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