日本であれば、腹痛に襲われて漏れそうになってもなんとかなりそうな気がしなくもないものだが（!?）、海外旅行中はどうしたらいいのだろう。普段の食事や水など、衛生面でも体調を崩しやすかったりもする。言葉さえも満足に伝わらない状況で、乗り切ることなどできるのだろうか。『海外アングラ旅行』（彩図社）の著者である藤山六輝氏に聞いてみた。 「インドの北部ガンゴートリという街を目指して長距離バスに乗っていたときでした。昼間は暑いのですが、夕方以降はヒマラヤ山脈の麓ということもあって急激に寒くなる。それが原因なのか、それとも日常的に皮ごと食べていた果物が原因なのかはわかりませんが、とっても気分が悪くなり、さらに腹まで痛くなりまして。バスのなかにはトイレなどありません。数時間ごとに運転手が休憩がてら停車したりすることもありますが、いつなのかは不明。とにかく寝て、ごまかそうとしていました。しかし、前の席に座っていた現地人が山道で酔ったらしく、窓を開けてゲロを吐いたのですが、異臭がすごい。そんなワケで、治まっていた気持ち悪さと便意まで復活してしまい……」 　藤山氏は、走行中のバスの運転手のところまで駆け寄った。ジェスチャーをまじえながら、出川イングリッシュばりに「ストップ、ストップ、トイレ、トイレ、ハラ、ピーピー！」と叫ぶ。周囲の乗客は目を丸くして見ている。その熱意が伝わったのか、バスは急停車した。 　そして森の木陰までいき、野糞をした。こうして事無きを得たはずだったが、パンツに目をやると、そこには大量の汁が……。 「やっぱり間に合わなかったみたいです。でも大自然のなか、とても気持ちが良かったので後悔はありません」 　そんな意外と多い大人のウン漏れ体験。SPA！の調査によると、うんこを漏らしたことのある社会人は、最低でも300人はいるという結果だった。 　今回は、車に乗っている最中に我慢できなくなり漏らしてしまったエピソードが多かったが、飲み会の席で打ちあけてみれば、盛り上がるかもしれない（!?）。 ＜取材・文／藤井敦年＞