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いま注目の女優・岡野真也「面白い女優になりたい」

 私たちは日々の仕事や生活に忙殺されがちだ。自分の夢や目標を追うことは大事だが、失敗したりうまくいかなかったときでも常に味方でいてくれるのは、両親をはじめ、“家族”なのではないだろうか。とはいえ、孝行のしたい時分に親はなし。「あのとき、こうしておけばよかった」と後悔している人も少なくないだろう。  11月4日(土)より公開される映画『ゆらり』は、石川県の民宿・赤木箱を舞台に、宿を営む家族や宿泊客など、「あのとき伝えられなかった想い」を抱える人々が、時間を巻き戻せるリモコンにより、家族の絆を取り戻していくファンタジー。映画は、現在・未来・過去の3部作で構成され、岡野真也さんと内山理名さんがダブル主演を務める。  岡野さんは現在、24歳。中学2年生の頃から演技をはじめ、女優歴は10年になる。着実にキャリアを積み重ね、昨年は映画『下衆の愛』のヒロイン役で注目を浴びた。秋クールからは週刊誌の世界を描いた話題のドラマ『ブラックリベンジ』にも出演中の演技派女優だ。  今回は、岡野さんにその心境や撮影の裏側、本作の見所、家族の大切さを聞いた。 岡野真也

大切な家族に、あのとき伝えられなかった想い

 岡野さんが演じるのは、民宿・赤木箱の女主人であり、一児の母でもある31歳の“現在”の泉凛香。そして、8年前に東京で女優の夢を諦め、実家に戻ってきたばかりの23歳の“過去”の泉凛香だ。 ――今回の『ゆらり』では主演となりますが、決まったときの気持ちはどうでしたか? 岡野真也(以下、岡野):主演は初めてではありませんが、どんな作品でもうれしいです。今回は2年前にお話をいただいていて、「ぜひやらせてください!」と答えていたのですが、そのときはまだ企画段階でGOサインは出ていなくて。実現して本当に良かったです。 ――どんな想いで演技にのぞまれましたか? 岡野:母親役を演じたことがなかったので当初は不安でした。家族や人間を描いた物語って、真実味やリアリティがないと、作品を観た人にも伝わらない。だから、どんなひと言にも自分の気持ちにウソがないようにしようと思って。23歳の凛香でも31歳の凛香が話す言葉でも。岡野真也を通して気持ちを届けるためにはどうしたらいいのか……。 岡野真也 そこで、自分の過去から取り入れられるものはないか。いろんな人に根掘り葉掘り私のことを聞いてまわりました。例えば、母に私のことをたずねてみたり。保育園のときの先生に会いに行って、幼い頃の私がどうだったのか教えてもらいました。 ――これまでに映画や舞台、ドラマなど、様々な役柄を演じていると思うのですが、常に自分のフィルターを通すことは意識しているのでしょうか? 岡野:そうですね。以前、自分のことを知る恩師が舞台を観に来てくださったのですが。そのときに言われて悔しかったのが「あのセリフは真也にぜんぜん似合っていない」。要するに、“芝居”だと見抜かれてしまっていたんです。そこから意識が変わって、自分が役を抱きかかえるイメージでやるようにしています。 ――今回の『ゆらり』に出演するにあたって自分自身のことを取材してみて、当時の岡野さんはどんな少女だったのでしょうか? 岡野:保育園のときは、とっても頑固で一度ヘソを曲げたら戻ってこなかったみたいですね。でも早生まれだったので身体が小さくて。おままごとでは絶対にいちばん下の妹かペット役という(笑)。 岡野真也 ――8年前の女優の夢を諦めて東京から実家に帰ってきたばかりのイライラした凛香。民宿の女主人となり、結婚して一児の母となった落ち着いた凛香。今回の作品では、同じ凛香でもまったく異なる役柄を同時に演じていると思うのですが。その難しさはありませんでしたか? 岡野:正直とても難しかったです。仮に31歳でも子どもがいるのといないのでは、全然違うと思います。私は現在、24歳。まわりには、まだ働き盛りで子どもがいない人ばかりなので……。街中で探すことしかできませんでした。現場でもどうしたら31歳の母親に見えるのか監督と相談しました。初日の最初のシーンでは、少し長く撮影時間をいただいて。試行錯誤しながらスタートしたという感じです。客観的なアドバイスをもらったりしながら「私が31歳の母親に見える演技」が決まって、ようやく不安が解消されました。 ――慣れない役で撮影中も大変でしたか? 岡野:とはいえ、大変だったと思ったことはなく、あっという間でした。たくさん自分の過去を掘り下げてから撮影にのぞんでいたので、ひとシーンひとシーンが自分自身と直結していました。芝居をしながら常に家族のことを思い出しながら。あえて頭に浮かべていた部分もあります。たとえば、「あのイスに私の家族が座っている」とか。想像すると安心するんです。 ――ズバリ、今回の映画の見所を教えてください。 岡野:現在・未来・過去の3部作。それぞれに笑いと泣きの要素があって。乗り物に乗るような感覚で『ゆらり』をゆらゆらと眺めていたら、“あたたかい気持ち”というゴールに辿り着けるはずです。
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「変幻自在の面白い“女優”になりたい」
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●映画『ゆらり』
監督:横尾初喜
原作・脚本:西条みつとし(TAIYO MAGIC FILM)
出演:岡野真也、内山理名、戸次重幸、萩原みのり、山中崇、遠藤久美子、 平山浩行、渡辺いっけい、鶴田真由 ほか
音楽:今井了介
主題歌:「手紙」ハルカトミユキ
http://yurari-movie.com/

2017年11月4日(土)より池袋シネマ・ロサにて公開 ほか順次

※完成を記念して、10月20日(金)に、下記の通り、公開直前トークイベント及び試写会が行われます。是非ともこの機会に、ご応募下さい。
日程:2017年10月20日(金)
開場:10:45
トークイベント:11:15~11:45
登壇者(予定):岡野真也、内山理名、戸次重幸、萩原みのり、遠藤久美子、筧礼、鶴田真由、横尾初喜(監督)、西条みつとし(原作・脚本)
上映:11:50頃~13:42頃

●応募方法
下記を記入の上、件名を「ゆらり SPA」とし、yurarimovie@gmail.com 宛にメールを10/16(月)までにお送りください。10/17(火)頃当選者にのみ招待状をメールでお送りします。
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