『逃げ恥』以降加熱する“バズるドラマ”、テレ朝新枠『オトナ高校』はスクショも意識?
テレビドラマの評価指標で最も馴染まれているものは、言うまでもなく「視聴率」だ。ただし昨今では、明確な数字などの指標はまだ存在していないものの、「ネット・SNSでどれだけ話題になっている(バズっている)か?」ということも注目されるようになってきた。
大きな契機は、やはり2016年10月~12月に放送され社会現象を巻き起こしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)だろう。同作では、エンディングの“恋ダンス”や劇中の描写、主人公たちのセリフなどが放送されるごとにネット上で大きな“バズ”を巻き起こし、それに伴って毎回の視聴率が上昇。
この「逃げ恥」の事例以降、2017年から各局がドラマのネット上での話題化に向けよりチカラを入れていることは明白だ。
いまや作品ごとに公式SNSアカウントをつくるのは当たり前となっており、撮影裏話や出演者たちのオフショット、主人公をはじめとした登場キャラクターの衣装など、ネット上で話題になりそうなことが日々各種SNSにアップされている。石原さとみ主演の日本テレビ系ドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』は、特に“衣装公開”がSNS上で人気だ。
最終回は20%を超える視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を獲得し、ネット上で話題になることが最も大きな指標である視聴率にも影響を与えることを証明した。
“配信”にもチカラ入れる深夜ドラマ『オトナ高校』
そんななか、「バズるドラマ」という視点で注目したいドラマが、10月より放送されているテレビ朝日系のドラマ『オトナ高校』(毎週土曜よる11時5分~)。
約16年間放送され、その終了自体が世間的に大きな関心事になった『SmaSTATION!!』の後枠につくられた同局の新しい深夜ドラマ枠「土曜ナイトドラマ」の第1弾作品として放送されているのが、この『オトナ高校』だ。 「さまざまな既存のメディアと融合しながら、デジタル世代が幅広い方向で楽しめる斬新な企画を用意する連続ドラマ枠」と銘打って設置されたこの“土曜ナイトドラマ”とあって、『オトナ高校』はスマートフォンやパソコンで見られることも前提としているような形態で“放送”、そして“配信”されている。 たとえば、作品の前日譚となるスピンオフ作品『オトナ高校 エピソード0』は、インターネットテレビ局「AbemaTV」とauの動画配信サービス「ビデオパス」のみで配信。地上波では放送していない。また、ドラマ『オトナ高校』の本編も放送後に上記2サービスほかで配信されている。 同作は、「深刻な少子化問題に歯止めをかけるべく政府が“ある学校”をつくる。その学校は、異性との性経験がない30歳以上の男女が集まる高校『オトナ高校』で、そこで生徒たちは性や恋愛について学ぶ…」という、マンガ原作かと思うような非常に“攻めた”設定のオリジナルドラマだ。 そのため過激なセリフもドラマ内で頻出しており、家族と一緒ではなく配信で観るという視聴者も少なくないようである。実際に、動画再生数やAbemaTVでの配信は記録的なペースで推移しているという。(※テレビ朝日公式リリースより) この傾向や作品について、同作のプロデューサーを務めるテレビ朝日・総合編成局ドラマ制作部の貴島彩理プロデューサーは、次のように語る。 「毎週“配信での視聴”を楽しんでいただいている声を多く頂戴するので、リアルタイムにテレビの前に座る…という従来の視聴法だけではない、“新しいドラマの楽しみ方”が生まれているのかな、と実感しています。多くの方に楽しんでもらえるツールが広がったことは、いち制作者として純粋にとても嬉しいです。 ただ、スタート当初は『親と見られない!』『ありえないぶっとんだ設定』というご意見も多かったのですが、最近は『童貞処女たちがピュアすぎて可愛い』『新しい切り口の胸キュン』『オトナ高校を見ていると不思議と勇気がもらえる』など、登場人物に共感したり、応援してくださる温かいお声も増えてきました。 30代以上の未婚女性の30%、男性の25%が未経験である、というのは厚労省が発表した事実。もちろん、作り手側として“SEXを推進したい気持ち”などは毛頭ないですが(笑)、そのような実はリアリティベースの世界のなかで、不器用なオトナたちが『人として成長するとは?』『誰かを愛するとは?』という当たり前の難題に一生懸命挑む姿を描いていけたらと思っています。 ひとりで配信でご覧いただいても存分に楽しめて、逆に家族みんなで観ても“意外に深くてタメになる”ような、そういう作品であることを目指して制作に臨んでいます」
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