「なんでMCなんてやってるんだろう」芸能活動42年の中山秀征(56歳)が“悩んだ過去”を告白
『DAISUKI!』『ウチくる!?』『THE 夜もヒッパレ』といった名だたる人気番組のMCとして活躍し、現在も情報番組『シューイチ』の総合司会として日曜日の朝を支える中山秀征さん(56)が、自著『いばらない生き方 テレビタレントの仕事術』(新潮社)を発売した。
14歳でデビューし、芸能活動42年。消えていくタレントも多いなか、走り続けてきた中山。今でこそMCとして抜群の安定感を見せるが、当初は「なんで自分が……」という葛藤があったという。実は人見知りで不器用だという中山さんに、「生き抜き方」を振り返ってもらった。
――中山秀征さんといえばMCですが、想像していた未来…ですか?
中山秀征(以下、中山):とんでもない。僕は群馬生まれで中2の時に劇団に入ったんだけど、このまま田舎にいたらダメだと思って、中3の3学期に川崎にある母の知人の家に転がり込んだのが1984年。その後先生のアパートの3畳間で下宿生活。トイレは汲み取り式、入ったら逆に汚れるんじゃねえかっていう古びた風呂で……。
時代はバブルで景気がいいのに、仕事がないからろくに食べるものもない。ある日朝起きたら目が見えず立ち上がれなくなって、運び込まれた病院での診断は栄養失調。なんで群馬から出てきてしまったんだろうってさすがに思ったよね。
生きるか死ぬかという背水の陣で片っ端からオーディションを受けるなか、「第二の吉川晃司」という募集で受かったのが、今いる渡辺プロなの。
――第二の吉川晃司とは、何を求める募集……?
中山:歌枠のはずだったんだけど、いざとなると僕の歌がさっぱりで。「じゃあ芝居やれ」って言われたんだけど芝居もイマイチ。そうこうしているうちに事務所がこれからの時代はテレビ、なかでもバラエティだという方針になって、当時の僕のマネージャーが「お前がやりたい歌と芝居は、バラエティで天下を取ったらできる」と。だからまずはお笑いをやれって言われました。お笑いなんて全然わかんないのに。
――お笑いという選択肢は、当初全くなかったわけですよね。やりたいことと異なることを「やれ」と言われたり、思ってた道とちょっと違う風になっているなと思った時の気の持ちようは、どのように?
たしかに、道を選ぶ人もいますよね。たとえば自分は歌手を目指しているんだから、歌をやらせてもらえないんだったら辞めますとか。でも僕は、目の前に示された道、求められる道があるなら「やる」方を選ぶ。商売は、自分の「やりたい」とは別だと思っているんです。
群馬から飛び出し、三畳間で下宿生活
「第二の吉川晃司」になるハズだった…のに

大阪府出身。大学卒業後、会社員を経てライターに。エンタメ系での著名人インタビューをメインに、企業/人物の取材記事も執筆。トレンドや話題の“裏側”が気になる。『withnews』で“ネットのよこみち”執筆中。Twitter:@Yoshikawa_Miho_
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