「昔は自己顕示欲がすごくあった」釈由美子45歳が“子育て経験”からたどりついた境地
1997年にグラビアアイドルとしてキャリアをスタートし、1999年のドラマデビューからは俳優業も本格化させている釈由美子さん(45歳)。現在、釈さんがとある“ご縁”から出演している日本の特撮&アニメ愛満載のアメリカ映画『Ike Boys イケボーイズ』が公開中。
現在は小学生の男の子のお母さんでもある釈さんに、自己顕示欲が強かったデビュー時のお話から、俳優業25年目の仕事観の変化、子育てを経験することで、「変な気負いから解放された」という今の気持ちまで聞きました。
――ドラマ初出演から25年目に入りました。
釈由美子(以下、釈):デビューから20~30代はすごくストイックでした。頑張っているけど、「もっともっと!」と自分を追い詰めていました。必要とされたい願望とか、自己顕示欲がすごくあったんです。それが気持ち悪いくらいになくなっちゃって。いまはご縁があって需要があればという感じです。
――何かきっかけがあったのでしょうか。
釈:子育てですね。昔は「必要とされたい」「私を見て」だったと思います。それが出産、子育てをしていて、私が仕事をしなくても、どんどん新しい人が出てくる。私がいなくてもいい。「私のかわりって誰でもいるじゃん」と、逆にラクになりました。
でも「母親としての私」には代わりが利かない。「この子には私だけなんだ」と生き甲斐を感じたから、平気になったのだと思います。ちょうだいの愛ではなく、自分が与えたいの愛になりました。変な気負いから、肩の荷が下りて、ニュートラルな状態になっています。そんな自分でも求めていただける役、必要としてもらえる場所があるなら、全力で応えたいと思うようになりました。
――芝居への向き合い方にも変化がありますか?
釈:スクリーンやモニターに映ったときに、隠し切れなくなったシミやシワも、「これが等身大の女性ですよ」と演じられるようになりました。
――息子さんとは、釈さんの趣味の山登りにも一緒に行ってますね。Instagramで拝見しています。
釈:日本は山に囲まれていて、とても自然が豊かです。それを再発見しようと山に登るのですが、山はいつでも待っていてくれて、迎えてくれます。そして日本の四季、春夏秋冬をしっかり感じられます。この5月に登ったときも、新緑が芽吹いていて、一番いいエネルギーをもらえました。背中の羽根みたいなのが、フルフルフル!ってするんですよ(笑)。
私は前から「フルフル現象」と呼んでいるんですけど、息子にも「フルフルしに行きたいね」と言って山に行きます。この間はタケノコの芽やつくし、高山植物や野鳥を一緒に見ました。ひとりで登ったほうがラクですけど、一緒に登ることで子どもからパワーをもらえたり、「うちの子、強いじゃん」と成長度合いも見えたりします。小さなころから自然と触れることで、五感も研ぎ澄まされます。
昔は自己顕示欲がすごくあった
背中の羽根がフルフルフル!となる
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
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