早期退職した“逃げ切り会社員”たちのその後 「南国でバラ色の人」「妻と離婚した人」の明と暗
「定年まで勤め上げられる」というフリーパスがやすやすとは通用しなくなった現代。しかし、そんな状況下でも、きっちり逃げ切りの青写真を描けている人は確かに存在する。先行き不透明な社会においても役に立つ働き方を実践する“逃げ恥会社員”の実態に迫る!
うまく使えば、逃げ切りの“特急券”となりうる早期退職優遇制度。その明暗を分かつものは何なのか? 5年前に専門商社を早期退職した松尾貞夫さん(仮名・57歳)は、タイでバラ色の日々を送る。
「身近に早期退職した人がいた影響で、40代から『いかにリタイアして人生を逃げ切るか』をずっと考え、老後の収入を見込んで中古マンションも購入したりと、計画を練ってきました。退職時の貯金は1700万円でしたが、退職金は年収の約3倍の2800万円出ることがわかり、応募しました」
現在は無職のため、生活費は家賃収入とカンボジアの銀行に預けた預金金利を合わせた計10万円のみ。だが、東南アジアゆえ生活費は低く、不自由はないという。
「昔から退職後の生活費や資産管理を、何度も事前にシミュレーションしていたこと。そして、独身で身軽だったのも大きな勝因です」
一方で「あのときに辞めなければ……」と悔やむのが、5年前にメーカーを早期退職した佐藤学さん(仮名・58歳)。4000万円の退職金を手にし、順風満帆の余生を過ごすはずが、妻の秘密が露呈したことで事態は一転した。
「退職後、妻が宗教にハマり、莫大な借金を抱えていたことが発覚。結局、離婚したものの、もともとの貯金と退職金を合算した資産8000万円から、借金返済と財産分与するはめになり。結局、僕の手元に残った資産は現金2000万円のみでした」
生活費のため、ビル管理人として働くも、昔は900万円あった年収が270万円にまで激減した。
「仕事にかまけ、妻の様子を顧みず、宗教への加入や借金にも気がつけなかったのが一番の失敗でした。もしも戻れるなら、妻がおかしくなる前の40代に戻りたい」
では、果たして幸福な早期退職を実現するための判断基準はどこなのか。リストラ請負人の中沢光昭氏は語る。
「きちんとそろばんがはじけているかに尽きます。現在の資産、割増退職金、退職後の収入のメドなどを鑑みれば、自ずとどの選択が最適かは明らかになるはず」
募集があってから行動するのでは遅い?早期退職の光と影
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