今がどん底なら、這い上がればいい
「自分は負け組」「今が人生のどん底」と感じる人は多いだろう。
たとえば、こんな感じだ。
●お金がない
●誰からも好かれない
●何をやっても失敗する
●トラウマから抜け出せない
●常に他人と自分を比べて絶望する
●メンタルがやられて、何もできない
でも大丈夫。
「自分は負け組」と感じるのは、勝ち組に変わりたいという「変身願望」があって、現状に満足せずに高みを目指している証なんだから。その逆境は乗り越えてさえしまえば、人生の転機になる。
ポルトガルのことわざには「逆境は英雄を作る」というものがある。
逆境でこそ、人は「真価」と「進化」が問われる。
逆境を乗り越えるたびに、人は強くなれるのだ。
奈落の底に落ちたことは、すでに落ちてしまったんだから仕方がない。大事なのは、現状を嘆き続けるか、受け入れて前に進むかだ。僕なら後者を選ぶ。というか、選び続けてきた。
僕は幼少期ずっと虐待といじめに遭った。そのことは不幸せだ。でも、「虐待する親父やいじめっ子を見返してやろう」と頑張った結果、16 歳で東大に合格できたし、その後も次々と成功を収めた。だから、総合的には僕は幸せだ。
暗闇から抜け出すには、希望の光を見出す必要がある。
希望は慰めにも、救いにもなるから。
負け組がどん底から這い上がって、人生逆転を果たすための希望は、この2つの「強欲な戦略」にこそある。
①冷静な狂気で、自分の勝ち筋を見つける
②2年で、人生を変える大勝負に出る
「逆境の時こそ、先見性と機動力を試すチャンスである」(越後正一)
勝ち組は、勝ち筋を見つけるから勝ち組なのである。勝ち筋は、自分の「強み」と「環境」の掛け算にある。少ない努力で希少価値を発揮できる「スイートスポット」を探そう。
そのためには、自分に合った奇抜なアイデアを練る「狂気じみた発想力」と、その真価を正しく評価する「冷静な審美眼」が必要だ。僕らは、無限の可能性など秘めていない。顔、頭脳、運動神経、笑いのセンスなど、すべてには格差がある。
顔が良くない人は、アイドルを目指してもなれない。
頭脳が良くない人は、研究者を目指してもなれない。
運動神経が良くない人は、アスリートを目指してもなれない。
だから自分の経験の中から、限られた才能(=学習能力)を見極めることが重要だ。
●少し勉強したら、数学が得意になった
●少し練習したら、足が速くなった
●少し訓練したら、良い声になった
●少し化粧したら、美人になった
こうした要領良く勝てる自分の強みが「自分の勝ち方」であり、成功を引き寄せる。『ドラえもん』の「のび太くん」だって、射撃能力だけは宇宙一。弱みはすべて無視して、この才能を磨くことだけに時間を使うべきなんだろう。
僕も、枚挙にいとまがないほどの弱みを抱えているが、すべて無視している。
●泳げない
●自転車に乗れない
●絵心がない
●音楽の才能がない
●空間認識能力が低い
●興味のない仕事が絶望的に苦手
現代資本主義社会は「専門化と細分化」が激しく、徹底的に「需要と供給」で動く。つまり、努力と報酬の相関は弱いので、自分の強みが評価される環境はごくわずかである。だから自分が身をおく業界・職種・学校・交友関係といった環境は、その希少価値を考えて変えていかねばならない。
さまざまな環境を正しく認識したうえで、自分の才能との「狂気じみた掛け算」をしてみると、自分の「強欲な勝ち筋」が見つかるはずだ。あとは、見つけた勝ち筋が「希少価値」か「希少無価値」かを冷静に評価したうえで、そこからできることを逆算し、自分を成長させていけばいい。
「冷静な狂気」という思考法があったからこそ、僕は16歳で東大に合格できたし、日英韓のトライリンガルになれたし、韓国の兵役も回避できた。現在サラリーマンを辞めて、メディアに出つつ起業準備を進めている理由も、「冷静な狂気」で自分なりの“勝ち筋”を見つけたからだ。
「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」(黒澤明)
1993年、韓国生まれ。16歳で東京大学に合格。日本政府から天才認定(学生としては初めて、研究業績だけで永住権を取得)を受ける。博士(情報理工学/東京大学)。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。⽇本トップレベルの医療AI研究者であり、「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医用画像データプラットフォームを手がける
Callisto株式会社を創業。YouTubeチャンネル『
カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中
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