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「公」のために「国」と戦うことだってある!――小林よしのりインタビュー

『戦争論』から17年。『新戦争論』執筆の理由

 現在の日本には、安倍首相を筆頭に、「国益」を口にする政治家や保守言論人のいかに多いことか……。そんな空気に異議を申し立てるかのように、小林氏が今年(2015年)に上梓したのが『新戦争論1』だ。 「『戦争論』から17年たち、自虐史観を蹴散らしたのはいいんだけど、日本の空気が右に傾きすぎてしまった。親米保守の論調や排外主義が幅を利かせ、これを推し進める安倍首相を守ることが、あたかも保守であるかのような状況がすごく不愉快なわけです。  そんな日本の言論空間をもう一度変えなくてはと、『新戦争論1』を描きました。自称・保守は左翼の主張だからというだけの理由で反対するし、左翼も同じようなことをやっている……。完全にポジショントークですよ。  そもそもポジョションのなかに入り込んだら、議論するモードにはならない。反左翼とか反保守とかでケンカしてる場合じゃない。だから、そんな枠組み自体をぶっ壊そうと思ってる」  SPA!時代の“サヨク”と離別し、保守論壇と決別した小林氏は、これまでもポジションに納まることを是とせず、さまざまなテーマで「公論」を立ち上げようとしてきた経緯を持つ。だからか、保守を自認しつつもイデオロギーの垣根を軽々と飛び越えてみせる。  最近では、出版当時に『戦争論』を「単なる無知」と酷評した評論家・宮台真司氏や、思想家・東浩紀氏へ接近の構えを見せている。 「わしも変わったのかもしれないけど、宮台もほぼ保守に転じたからね。じゃないと、なぜ今一緒にいるのかわからないし、逆に面白いような感じですね。ただ、論争してもそのときの印象が、彼の生涯にわたる人格とは思ってませんでしたから。でも、アイツ、ホント口が悪いですよ。3人のなかで、わしが一番上品なくらい(笑)」

小林よしのり氏

 最後に、小林氏は久々に登場したSPA!をどう見たのか。 「記事にインタビュー、漫画まで、種々雑多でまさに雑誌だよね。素晴らしい。でも、一番いいのは『グラビアン魂』! ちゃんとエロがあるのは大事ですよ(笑)。猥雑さも雑誌の重要な要素だから」 取材・文/斉藤武宏 撮影/植松千波 ※本原稿は『週刊SPA!』2015年6月9日号からの再録です
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週刊SPA!4/10・17号(4/3発売)

表紙の人/ 小林よしのり

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