更新日:2022年12月17日 22:40
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小林よしのりが「主権を持っていた国民たち」の姿を活写する『大東亜論』のすごみ

 さらに重要なのが、頭山たちが「主権があった時代」を生きていることだ、と小林氏は指摘する。というのは、かねてから小林氏は「今の日本は従米の属国状態である」と主張しているからだ。 「日本の民主主義や憲法がどのように作られたのか。自由民権運動がどのように闘って、どのように消えていったのかを知っておかないと。大日本帝国憲法も今の日本国憲法も、実は中江兆民の言葉を借りれば『恩賜の民権』で、上から与えられてしまったもの。いっぺんも国民が主体となって憲法をつくったことがない。そして、民衆の力によって本当の意味での民主制というものを作り上げたことがない。全部、上から与えられている。戦前も、戦後も。今はやっぱりアメリカをお上として、『アメリカの言うがままでいいや』みたいな属国根性が身についてしまっているところもあるから」

小林よしのり氏

 そして、『大東亜論』に登場する人々の活力に小林氏は注目する。その活力の源泉がやはり「主権をもっていた時代の国民」だったという。 「この時代はみんなに『自分たちが主体だ』という意識があったわけですよ。『俺はこうするぜ』『私はこうする』ってみんなが言うから、殺し合いでもなんでもありのすごい状態(笑)。そして明治から昭和の戦争まで、どのようになっていったかを『大東亜論』ではずっと描いていかなければ。これはもう意義だけですよね。漫画、作品としての意義。ずーっと描いていったときに何がやりたかったかが、見えてくると思います」  長大な大河ドラマがどのように進展していくのか。注目の作品である。 ※明日は『よしりん辻説法』を紹介!
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