更新日:2020年12月30日 10:44
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ZOZOTOWN前澤社長に「ZOZOSUIT」の反響を聞いてみた

「創業20周年の今年は、訳あってめちゃめちゃ働くことにしました。もっともっとパツンパツンにスケジュール入れたいので、提案したい人、売りたい人、買いたい人、会いたい人、取材したい人、絡みたい人、飲みたい人、ガシガシ連絡ください」
 今年3月末、Twitter上でそう宣言したのは、スタートトゥデイ(今年10月から「ZOZO」に社名変更予定)代表取締役社長の前澤友作氏。前澤氏といえば、日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN(※1)」の創設者であり、世界屈指の大富豪。また、その華やかな私生活が報道されるなど、公私ともに今、最も勢いのある人物の一人だ。そこで、週刊SPA!は「前澤さんのイケてる理由を教えてください」とTwitter上で連絡。
 本人から快諾をもらい、取材へと至った! 前澤友作――このたびは取材のご快諾、ありがとうございます。まず、今回の取材のきっかけにもなった「働く」宣言ですが、あれにはどんな背景があったんでしょう。 前澤:今年の5月でうちの会社が20周年を迎え、ZOZOSUIT(※2)の配布やプライベートブランド「ZOZO」(※3)のスタートなどの新事業が始まりました。これは第二の創業期だと思って、今一度自分がしっかりしなきゃなと。あと、ご存じのとおりプライベートでもいろいろありまして(笑)。いろんな意味で心機一転したいと思い、あのツイートに至りました。 ――プライベートのお話も、のちほどじっくり伺いたいのですが、最初に、話題のZOZOSUITについて、改めて教えていただけますか。 前澤:着用するだけで体型を採寸するボディスーツです。現在、すでに予約は100万着を超えていて、来年3月までに1000万着を無料配布する予定です。 ――ZOZOSUITで採寸したデータは、どう活用されるんでしょうか。 前澤:今年1月からゾゾスーツで採寸したデータから、各人の体形に合わせたTシャツとデニムをオーダーできるプライベートブランド「ZOZO」を始めているのですが、実際にご利用いただいた方からは「ほかの服が着られなくなった」という声が多数寄せられています。自分の体形にぴったりのサイズの服を着る感動って、すごいんですよ。その感動を、より多くの人に味わってほしいですね。 ――このアイデアを思い付いたきっかけは何だったんですか。 前澤:以前からプライベートブランドを展開したかったんですが、ほかと同じことはやりたくなかった。そこで、世の中の服って、基本「S・M・L」しかないけど、もしも、個々の体形に合うような何千種類、何万種類ものサイズを作ったらどうだろうと。そのために「自宅にいながら人の体形を詳細に把握するにはどうするか」を考えたときに思いついたのが今のゾゾスーツでした。 ――しかし、何万種類ものサイズの服を作るのは、コスト面や技術面でかなり大変ではないかと察します。 前澤:もちろん大変です。でも、それを自分たちで作るからこそ、ほかの人がマネできないものが生まれるのかなと。作る服が難しければ難しいほど、我々の価値が出るじゃないですか? 今年2月には低コストで体形計測できるアイデアを3億円で買い取った(※4)りしましたが、テクノロジー分野に力を入れてます。 ――ZOZOSUITは無料、プライベートブランド「ZOZO」の商品も数千円台と価格は低めですね。 前澤:低価格にしたのはファッションブランドに収まらず、インフラを目指したかったからです。水道や電気、ガスと同じように、世界中に行き渡るブランドにするには、世界の誰もが購入できる価格にする必要がありました。今はTシャツとデニムだけの展開ですが、早ければ年内にはビジネススーツやビジネスシャツのサービスも始める予定です。 ――そうなると、若い世代だけでなく、中年世代でも活用できそうですね。 前澤:体形が崩れたら、またZOZOSUITを着てもらえればすぐにサイズはアップデートできます。体温計や体重計が一家に一台ある感覚で、ZOZOSUITも一家に一着ある時代にしたいと思っています。 ――反響はどうですか。 前澤:ZOZOSUITに関しては予約だけで欧米やアジアを中心に海外103カ国から問い合わせが来ています。同業の方からは、「嘘でしょ」みたいな反応が多いです。だいたい何かを始めるときは、みんな「えっ?」という顔をするので、それを見るのが快感ですね(笑)。 ※1 ZOZOTOWN 年間購入者数722万人超、商品取り扱い高2705.4億円、取り扱いブランド数6400を超える日本最大級のファッション通販サイト。過去1年以内に1回以上商品を購入した会員の平均年齢は32.8歳、女性比率68%と、20~30代女性を中心に利用者数は右肩上がりを続けている ※2 ZOZOSUIT 全身に施されたドットマーカーをスマホのカメラで撮影することで、自宅で手軽に自身の体形を測ることができる採寸用ボディスーツ。’17年から予約を開始していたが、生産上の課題を解決できず、改良が重ねられた結果、現行の新スーツに至った
※3 プライベートブランド「ZOZO」 ZOZOSUITで採寸した体形データから、その人専用の服を作るオリジナルブランド「ZOZO」が今年1月にスタート。現在は、1200円のクルーネックTシャツと3800円のデニムの2種類を販売している ※4 アイデアを3億円で買い取った テクノロジーに注力すべく、「個人や企業からのアイデアや特許を買い取る」と発表。その第1弾として、3人の匿名研究者からのアイデアを3億円で買い取り、より低コストで高精度のZOZOSUIT開発に成功した 【前澤友作】 ‘75年、千葉県生まれ。‘95年から輸入レコードやCDの通販を開始。その後、’98年にスタートトゥデイを創業し、’04年にはファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を立ち上げる。アートへの造詣が深く、’12年には公益財団法人「現代芸術振興財団」を設立 取材・文/藤村はるな 撮影/田子芙蓉 ※『週刊SPA!』5/29発売号「エッジな人々」から一部抜粋したものです
週刊SPA!6/5号(5/29発売)

表紙の人/ 松井珠理奈

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