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前澤氏はZOZOの経営に失敗したのか?見落とされる3つの誤解

 9月12日に発表されたヤフーによるZOZOの買収発表会見。涙ながらに自社への想いを伝える前澤社長の姿を目にした人は少なくないでしょう。この令和最初の衝撃的買収劇を受け、週刊誌等のメディアでは「前澤・前社長の裏側」を報じる記事が目立っています。
zozo

画像はZOZOTOWNより

 それらの記事を眺めてみると、彼個人のパーソナリティにフォーカスを当てたものが目立ちます。しかし、この買収劇の背景を前澤氏の「個人的資質」ではなく、あくまでZOZOという一つの企業が「経営戦略」として行った合理的判断と考えて分析すると、本件はまったく違った側面が見えてきます。    なぜ前澤氏は、ZOZOをヤフーに売却したのでしょうか。そして、彼はなぜ退いたのでしょうか。(株)フィスコの企業リサーチレポーターである筆者・馬渕磨理子が、前澤氏退任の理由を分析していきます。  キーワードは「3つの誤解」です。

1)「ZOZOARIGATO」の“割引と寄付”が理解されなかった

 今年に入り、ZOZOに出店している企業側の「ZOZO離れ」が加速していました。理由は、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」が行なっていた、ZOZO負担による値引きサービス「ZOZOARIGATO」(ゾゾ アリガト)です。  各ブランドが、自社商品がZOZOで値引きされることでブランド価値が棄損されることを懸念し、撤退が相次いだのです。結果、「ZOZOARIGATO」サービスはスタートからわずか5か月の2019年5月で終了。  しかし、この「ZOZOARIGATO」、本来の目的は「おトクに買って、誰かを応援する」という、割引と寄付が一体となったサービスだったのです。  具体的に言えば、商品の購入金額に応じた10%の割引が適用され、その一部または全額を、同社が指定する団体への寄付や購入先のショップへの金額還元に使用できるというもの。つまり、ブランド側は“損”をするわけではありません。  ところが、割引という事実のみに引きずられ、ブランド価値の毀損につながるのではないかという取引先側による論点のズレが生まれてしまったのです。ちなみに「ZOZOARIGATO」で、サービス終了までに総額2919万9955円もの寄付が集まっています。
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ZOZOSUITの本当の目的とは
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