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フィギュアスケート羽生結弦が「4回転アクセル」を目指す理由

今上天皇の退位で、来年には幕を下ろす予定の平成。そんな平成とはいったいどんな時代だったのだろうか……と振り返りたいところだが、最近はなぜか「昭和かよ!」と言いたくなるような騒動や事件が続出している。そこで、さまざまな分野の昭和・平成の状況を比較。それぞれの時代の良しあしを確認して勝敗をつけながら、新時代に何を残すべきかを考えていく。

羽生結弦

五輪連覇のあと、4回転アクセルの習得を明言した、羽生結弦選手。新たな挑戦に注目したい/雑誌協会代表撮影

相対評価・減点方式“昭和”の旧採点vs加点方式“平成”の新採点


 男子としては66年ぶり、羽生結弦の五輪連覇となった平昌五輪・男子シングル。これは男女通じて、新採点では初の快挙だ。

「女子シングルでは、東ドイツのカタリナ・ヴィットが’84年のサラエボ、’88年のカルガリー五輪で連覇を達成しています。が、これは旧採点時代の話。羽生選手とは、ジャッジシステムが異なります」

 そう話すのは、フィギュアスケート指導者の佐野稔氏。2004―2005シーズンから導入された新採点に比べ、旧採点は実績のある選手に有利に働きがちだったという。

「技術点と表現点の合計で競いますが、6.0満点からの減点方式。しかも相対評価なので、ネームバリューも大きい。五輪金メダリストも、世界選手権の表彰台経験者が多数を占めていました」

 対して新採点は、技術点と演技構成点の合計。技術点は全要素に基礎点があり、成功すれば出来栄え点が加わる(失敗すれば減点)。演技構成点も5項目の合計だ。

「相対評価ではないため難度を上げてノーミスすれば、新人でも勝てる可能性が。アリーナ・ザギトワ選手はデビュー年に五輪金です」

 また、新人に負けじと実績者も励みになるのが新採点。羽生選手が4回転アクセルを目指す理由だ。

「実戦で成功すれば、もっと追随できない存在に。彼のジャンプの質なら、実現可能かもしれません」

 新採点は、アスリートの飽くなき探求に繋がっているようだ。

<判定>新採点は新人にも勝てる可能性があり、選手の夢も広がった点で平成の勝ち

【佐野稔】フィギュアスケート解説者
’77年の世界選手権で男子シングル初の銅メダルに。現役引退後は、明治神宮外苑アイススケート場を拠点に指導に当たる。フィギュアスケート放送での解説でもおなじみ

― [昭和 VS 平成]十番勝負 ―





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