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平成ボートレースの名勝負は「まくり差し」とともに……

<平成ギャンブル名勝負第9回・ボートレース編2位3位>  ボートレースの好きな決まり手は何か? と聞かれたらほぼノータイムで「まくり差し」と答えている。なお、次に好きな決まり手は「恵まれ」なのだがそれは別の話。というのも、まくり差しの入った1周1Mから2Mまでの展開は、まさに「水上の格闘技」めいた混戦になることが多く、そこが特に好きな決まり手なのだ。  第1位はまくり差しを決めながら惜しくも敗れたレースだったが、2位3位の名勝負は、そのまくり差しで決まったレースを推したい。 【参考記事】⇒【1位】ボート平成のベストレース…20世紀最後のレースはボートレースの名勝負だった

提供:日本レジャーチャンネル

第2位 【四つ巴の大熱戦】

平成15年(’03年)6月1日 ボートレース平和島 SG第30回笹川賞競走(現・ボートレース オールスター)12R優勝戦 1 今垣光太 33歳 石川 A1 2 池田浩二 25歳 愛知 A1 3 烏野賢太 35歳 徳島 A1 4 石田政吾 32歳 石川 A1 5 加藤峻二 61歳 埼玉 A1 6 平石和男 36歳 埼玉 A1 (級別・年齢は当時)  おそらく古いファンであれば、この頃の平和島について多くを語る必要はないと思うが、敢えて言えば当時の平和島は枠なり進入で決まることが少なく、比較的他の場よりまくりやまくり差しが決まりやすいこともあって、結果「インの墓場」とまで言われていた競走水面だ。さらに言えば、常に伯仲番組を組むという客にも選手にも難易度の高い場なのだ。  そしてこの優勝戦、確かに戦前から名勝負の予兆があった。初日ドリームメンバーの中で優勝戦まで残れたのは今垣だけ、前日の準優戦1号艇全滅、そして還暦を越えてなおA1級を維持している加藤峻二のSG優出など話題性には事欠かない中で迎えた優勝戦である。スタート展示の段階で烏野や加藤が内側を伺う気配を見せており、本番でも3号艇の烏野が積極的に内側を取りに動いた結果、本番進入は枠なりではあったが、6コース平石の単騎カマシになっての12345/6。

提供:日本レジャーチャンネル

 スリットは全艇ほぼ同体で抜けたが、やはり最初からダッシュを選択していた平石の艇が他より伸びる。1周1M、池田のツケマイに合わせた今垣がターンマークを外した隙間を平石は逃さず一気にまくり差しを決めて先行し、1周2M加藤の年齢を感じさせないシャープなターンをうまく利用しほぼ1着を確実なものとした。

1周1M平石和男6コース捲り差し! 提供:日本レジャーチャンネル

 その後2周ホームからは今垣、池田、烏野、加藤による四つ巴の2着争いが続き、烏野が2周2Mでにようやく2番手を確保。しかし3周2Mまで、こんどは三つ巴で3着が確定しない大熱戦となった。ターンマークごとに順位の変わる展開、エキサイトする実況、舟券の当たり外れ関係なく満員の場内に響き渡る歓声と溜め息。  平石の大舞台での記録にも記憶にも残るまくり差し、そして最後までレースを諦めない2着3着争い。確かにこの時、平石和男はSG優勝とともに名勝負をまくり差し一本で作り上げていた。

表彰式 平石和男 提供:日本レジャーチャンネル

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山室展弘が魅せた教科書のような捲り差し
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