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人の生き方を見てどう思うか?が重要なワケ

人間の心にあるメカニズムとは?

 相手のことをどう思うか、どう評価するについて客観はありません。客観というのは単純な事実のみを扱かった時だけに使える言葉です。「コップに半分水が入っている」は客観ですが、「もう半分しかない」のか「まだ半分ある」のかは主観です。「善いか悪いか」「良いか劣っているか」「正しいか間違っているか」は視点によって、つまりその人が持つ信念によって異なります。「男ならそう思う」とか「日本人ならそう思う」という全体論は客観性ではなく、間主観性です。全体論には必ず例外が含まれます。その例外を許さないように客観に努めようとすると、物事は確実に滞ります。  自己啓発に必要なのは客観ではなく主観です。そして、その主観は信念と想念によってできています。自分自身の信念を知り、相手に対する想念を気づかなければ、私たちは波に翻弄される小舟のように右往左往するしかありません。反対に信念に気づけば、自分の想念にも気づき、自分の思い込みを飛び越えて、相手の心もわかるようになります。誰かに優しい言葉をかけられるようになって、人に求められるようになり、何がしかを実現できるのはそれからです。  人間の心は複雑です。でも丹念に掬い上げれば、ちゃんとそのメカニズムが見えてきます。自分の信念が種となって相手に対する想念が生まれ、相手に対する双方向の想念によって思考が展開し、思考によって選別された行動に移るのが、本来あるべき流れです。しかし、情報社会に生きる私たちは情報と思考だけでやりくりしようとするので、自分のことも相手のこともわからず、ひたすら論理的、合理的、客観的なことをやり遂げようとして失敗を続けています。  信念がわかれば、後に続く想念も思考もわかるようになります。自分が何と戦って、どれだけ貴重な時間を無駄にしていたかが掴めるようになります。これは正しさに縛られて、いたずらに自分と相手を苦しめてきた人間にとって、大きな癒しです。もし正しさが自分に何も与えてくれていないと感じているなら、ぜひメンタルレコーディングを始めてみてください。これまで見落としていた、心というもう一つの広大な世界が見えてきます。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

人生を変えるマインドレコーディング

人はなぜ続けることができないのか? 続けるには「信念」が必要だ!

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