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他人に「認められたい」から出発するとうまくいかない

 いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第63回 「認められたい」から出発するとうまくいかない 思ったことを記録していく「気づきのメモ」を続けていると、本当に自分が望んでいることがわかるようになってきます。「自分の望みに本当も嘘もあるのか」と思うかもしれませんが、最近話題の「承認欲求」は嘘の欲求の典型です。  たとえば流行りのアイスを写真に撮るだけで食べずに捨てたりすると、当然他人の顰蹙(ひんしゅく)を買います。これは「人に認められたい」という欲求と矛盾しています。食欲は健康を維持するためにありますが、美食や過食、過度のアルコールに走るとかえって健康を害します。このような本来の目的から遠ざかるような欲求は嘘、まがい物、イミテーションと評して差し支えないでしょう。  承認欲求は、ツイッターやインスタグラムといったSNSで自分をただ見せびらかす人たちを指摘して使われるようになりました。しかしだからといってSNSによって生まれた新たな欲求、というわけではありません。もともとあった欲求がSNSによって、目に見えて指摘できる形に表面化しただけです。  ですから「自分はSNSで自慢したりしないから大丈夫」と安心するのは早計です。私はこれまで多くの方に「あなたの望みは何ですか?」と尋ねてきましたが、半数以上が「両親や家族、恋人に認められたい」と答えました。

「認められたい」から出発するとうまくいかない

 しかし皮肉なことに、「認められたい」という願望を出発点にした行動は概して認められません。やることなすこと、考えること全般に「人の顔色をうかがう」というブレーキがかかるからです。ところが多くの成功者のチャレンジは当初は認められるどころか、周囲の猛反対を受けています。  セブンイレブンの生みの親である鈴木敏文はコンビニで初めておにぎりを売り出す時も、セブン銀行を始める時も猛烈な反対を受けたそうです。それが今ではどちらも業界のスタンダード、消費者からも当たり前のものとして認められています。他人の顔色を気にして「反対されたからやめておこう」では、認められるようにはなりません。だからこそ承認欲求を自分の願望と捉えてしまうのは危険なのです。  気づきのメモによって思考から信念を掘り起こしていると、「自分はこうしたい」という想いが浮かんでくるようになります。それは食欲や性欲といった動物的な欲求とは異なり、これまでに生きてきた自分の歴史を踏まえています。それが自分で決めたことをやり抜く原動力になります
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うまくいくには「過去」を振り返るしかない
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