雑学

中学生にはどんな英語学習が最適か?

― 連載「佐藤優のインテリジェンス人生相談」―
“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!

中学生の息子にはどんな英語学習が最適ですか?

★相談者★匿名希望  会社員(総務) 男性 48歳

 中学1年の息子の英語学習についてご相談します。今後の大学入試改革で、受験英語は会話力が重視されるそうで、周りには英会話スクールに通う子供も多いのですが、私は子供には従来どおり、文法・語法をしっかり習得させたいと思っています。

インテリジェンス人生相談 そもそも大学は専門学校ではなく、教養を身につける場だと思いますし、自身の経験から、文法・語法の知識は第二外国語の習得も容易にすると感じているからです。

 またAI(自動翻訳)が発達すれば、英会話のスキルよりも、主語や目的語の明確な日本語を話す能力のほうが重要な気もします。息子の将来を考えた場合にどのような英語学習が最適でしょうか。

◆佐藤優の回答

 この質問に答える前に、学問について考えてみましょう。

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 改めて問いますが、「学問」とは何でしょう?

 それは、実学です。現実社会で役に立たなければ、意味がありません。

 皆さんは実学というと、経営学や経済学といったものを思い浮かべるかもしれませんが、文学とか、哲学とかを含めたものが実学です。

(佐藤優『世界のエリートが学んでいる哲学・宗教の授業』30頁)
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 社会に出てから役に立つ学問を身につけさせようと考えているのであれば、国語、英語、数学、理科、社会といった学科の区別は考えないほうがいいです。企業で総務を担当しているので、おわかりでしょうが、反社会的団体がクレームをつけてきた場合、法律の知識だけでは十分でなく、相手の心理を読む力も必要になります。脅しに屈しない胆力も重要になります。この場合、学校で勉強したすべての知識を総合し、瞬時に活用する能力が求められます。

 社会に出てから、絶対に必要とされるのは論理力です。論理力は、大きく分けて2つあります。

 第1は、非言語的論理です。論理記号を用いる(記号)論理学もその1つですが、より一般的には算数と数学がそれにあたります。言葉ができなくても、数字と記号と規則を知っていれば、数学を用いて外国人とコミュニケーションをすることもできます。

 また、今後、急速に発展していくAI(人工知能)技術を考えるならば、数学の知識はより重要になります。なぜなら、AIは突き詰めていくと計算機で、数学言語(論理、確率、統計)しか用いることができないからです。人間の考える力を、数学言語だけに還元することは不可能です。AIに振り回されないようにするためにも、数学基礎論という「数学の哲学」に関する勉強は、今後、とても重要になります。

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今後どの分野で働くかによって異なってくる

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