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“危ない武器”がネットで簡単に買える日本…なぜ規制しないのか?

 エアガンに関しては、6mmBB弾の場合は0.989J(ジュールの略、弾丸の威力の単位)未満、8mmBB弾は1.64J未満と威力規制が設けられているが、’05年の事件(’05年9月、和歌山市内の高速道路で走行中の車が改造エアガンから発射された金属銃弾で銃撃された)のように殺傷能力の高い違法改造エアガンを簡単に作ることもできてしまう(改造は銃刀法違反に該当する)。
危ない武器

エアガン

 刃渡り30cmの鉈、マチェットが買えることにも驚くが、日本刀を買うのにも免許や資格、警察の許可は特に必要ないことにも驚かされる。日本刀は武器ではなく、「美術品・骨とう品扱い」となるため、購入時についてくる「登録証」さえ持っていれば、所持していても銃刀法違反には当たらない。
危ない武器

日本刀

 DIY店で買える工具であるネイルガン(釘打ち機)も危険極まりない代物だ。米国疾病対策予防センターによると、毎年4万2000人が負傷しており、’09年にはシドニー在住の中国人男性が頭部にネイルガン34発を受け、死亡するという事件も起きている。  さらに昨年8月、名古屋市の大学生が高性能爆薬を製造した罪で逮捕された。この爆薬はパリ同時テロなどで使われたものと同じで、こうした製造方法や原料もすべてネット経由で手に入れられるのだ。  もちろん違法に改造したエアガンや爆薬は見つかり次第即お縄だが、クロスボウや日本刀、マチェット、ネイルガンを“購入”して“所持”することは可能なのだ。  しかし、弁護士の菊地幸夫氏は、“携帯”は難しいと指摘する。 「軽犯罪法では、人を傷つけるものを“正当な理由”なく持ち歩いてはならないという条文があります。正当な理由とは、メーカーが販売店に納品する、大会に出る、修理に持っていく、などです」  では、護身用として所持・使用することは問題ないのだろうか。防犯グッズショップに行けば、商品棚にはスタンガンと並んでクロスボウ、マチェットなどがある。 「催眠スプレーなどなら問題ないでしょうが、スタンガンやクロスボウを護身用として持ち歩けるかは難しいところですね。使用するにあたっても、武器の戦闘能力の対等性を大きく超えれば、正当防衛ではなく“過剰防衛”になってしまう可能性もあります。例えば空き巣と遭遇し、相手が丸腰で体格が小柄だった場合にクロスボウを撃てば、過剰防衛になってしまうかもしれません」
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なぜ、当局は武器の規制に踏み切らないのだろうか
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