どこからエロ本なのか? コンビニ「成人誌」販売中止で曖昧な境界線に切り込む
東京五輪を前に、コンビニ大手3社が成人向け雑誌、いわゆるエロ本の販売を中止することを決定した。だが、そもそもエロの境界線はどこにあるのか? アンケートと識者の分析を通し、その曖昧さに切り込んだ。
もうコンビニで“エロ本”を目にする機会がなくなる。セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの大手3社が「’19年9月以降、全店舗で『成人向け雑誌』の販売を中止する」と発表した。しかし、成人誌コーナーに『フライデー』や『週刊ポスト』などの男性週刊誌が置いてある店舗も散見される。そもそも成人誌の基準とは何なのだろう? まずは法律的な区分を、性表現の法律問題に詳しい弁護士の園田寿氏に解説してもらう。
「まず、『エロ本』とは俗語で法律上の定義はありません。ただ、『性的な興奮を促す』出版物は、大きく『児童ポルノ』『わいせつ図書』『有害図書』『類似図書』の4つに分類。そもそも『児童ポルノ』は所持禁止ですし、刑法や各自治体の指定により『わいせつ図書』『有害図書』が定められます。一方、『類似図書』はコンビニで販売できますが、代わりに青いテープやビニール袋をかぶせるなど、各店舗が自主的に、客が自由に見られないようにしています」
では、コンビニはなぜ「成人誌販売中止」に踏み切ったのか?
「’01年のコンビニの総売り上げに占める出版物の比率は約7%でした。それが’17年には約1.3%に。要は売れないから置きたくないというのが本音。なのに販売中止の理由に『女性・子供や外国人観光客への配慮』の文言を入れたのは『表現の自由を規制するのか』などの議論を避け、人々が納得しやすい話にしたかったからでしょう」
アダルトメディア研究家の安田理央氏は「おしゃれなカフェにエロ本が置かれないのと同様、コンビニの本音も“ダサいから”」と付け加える。実際、今回成人男女200人にアンケートをしたところ、66.5%が成人誌の販売中止に賛成している(※アンケート結果の詳細は記事後半で)。雑誌業界にとっては厳しい現実だ。
雑誌はすべてエロ本!? 曖昧すぎるエロ基準
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