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馬主って本当に儲かるの? 購入後の費用や回収金額を聞いてみた

馬主たちのオフ会「新宿区馬主会」に貧乏記者が潜入<2>  有馬記念も終わり、優勝したブラストワンピースには3億円もの賞金が付与された。馬主の取り分はそのうち8割のため、2億4000万円を手にしたことになる。夢のある話ではあるが、日々行われるレースの賞金額を見ると地方で安いと数万円からといったものが多い。「大半の馬主なんて絶対赤字ではないか」と思われるかもしれないが、実際はそうでもないのだという。
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賞金や手当、競馬場ごとにまちまちだが、うまく理解して馬を出走させるのも馬主の醍醐味のようだ

 平均所得1000万円オーバーの馬主約30名、オフ会の名前は「第3回新宿区馬主会」。川崎競馬場の貴賓室で開催されたオフ会に貧乏ギャンブル好き記者が潜入するシリーズは前回、オフ会の模様や馬主資格を取るために必要な所得は年500万円以上、競走馬は安ければ数十万円で購入することがデキ、どんな人が馬主になるのかを聞けた。だが、実際に競走馬を購入した後にかかる費用や回収できる金額はどのくらいなのだろうか。競走馬を所有するということは、ただ買って自分の馬にするだけではない。様々な費用が必要になってくるのだ。今回は川崎競馬場貴賓室で同士の交流で盛り上がる新宿区馬主会メンバーに直接お話を聞いてみた。

うまくやりくりすれば収支トントンで馬主生活が可能!?

「値段は厩舎によって違いますが、20~30万円前後の預託料が毎月かかります。放牧すれば放牧地での費用、輸送費がかかりますので、1頭につき毎月10~30万は出ていく形です、が、レースに出走して入着してくれればその月はほぼ収支的にプラマイゼロになりますし、好走した場合はプラスになるわけです」(Bさん)  確かに、賞金額や手当の額を見ると預託料がまかなえる。たとえばイベント当日に行われた川崎競馬のC1のレースであれば5着でも14万円ほど。また、賞金以外にも馬主を助けてくれる手当があるという。 「賞金に加えて川崎競馬ならば出走手当が数万円、さらに地元の騎手が騎乗していると1万円の補助もあります。馬主会に入会していれば着外でも別途手当が得られる。5着なら月の収支はトントンになり、1着ならば100万円を超える賞金で当然プラスになる。着外でも完走していれば収支は10万円弱のマイナスで済みますね」(Bさん) 「大事なのはやりくりなんです。新宿区馬主会は、そんなやりくりのお話や人脈づくりなど、ベテラン馬主から新人馬主まで共有する目的もあるんですよ」(Cさん)
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公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright

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