吉田輝星、プロ初ブルペンに課題見つける …「あきたこまち不足」かも!? /キャンプレポ・2日目
―[プロ野球キャンプ2019]―
キャンプ取材の醍醐味のひとつは、各チームの練習メニューを吟味しながら、その日の取材先を組み立てること。昨日は挨拶を兼ねて3球団をハシゴしたが、今日はじっくり北海道日本ハムファイターズの2軍キャンプを取材してきた。
午前7時00分:100キロ先の国頭(くにがみ)村を目指して那覇市内のホテルを出発。土曜の朝日を正面に見ながらの高速ドライブは快適。
午前8時45分:早めの出発が功を奏し渋滞なしでかいぎんスタジアム国頭に到着。
午前9時15分:全体アップの30分も前から若手選手たちがジョグ、ストレッチを開始。注目の吉田輝星(18=金足農)も笑顔でリラックスした様子。
午前9時40分:新人選手だけ集められ荒木大輔2軍監督から少し長めの話。「高校、大学、社会人でやってきたことをそのまま出して欲しい。変にプロ仕様に変える必要はないし、キャンプでうまくいかなかったとしても焦る必要はない。1年後、3年後、5年後に結果を残すことがプロでの成功だから」。本来はキャンプ初日に話す予定だったが「昨日はバタバタしていて話せなかったから今日になってしまった」(荒木監督)
午前9時45分:吉田より20歳年上のチーム最年長、田中賢介らと共に全体アップ開始。
午前10時25分:サブグランドでキャチボール開始。ファイターズは他球団と比較するとキャッチボールまでの時間はたっぷりかけるが、キャッチボールそのものは短め。メジャー流の時間配分だ。
午前10時50分:31社74人の報道陣と多数のファンが待ち構えるブルペンに吉田が到着。ここで通称「壁」と呼ばれるブルペン捕手を待つためしばし待ちぼうけ。ルーキー選手あるあるのひとつだ。
午前11時00分:荒木2軍監督、加藤ファーム投手コーチ、スカウト、スタッフ、OBの評論家らが見つめる中、ビジターユニフォーム姿の背番号18が立ち投げを開始。プロ3年目の郡捕手を座らせた初ブルペンは「5、6割よりはちょっと力を入れて投げた。早く全力で投げれるようしっかり調整をしたい」(本人)
午前11時11分:直球を中心にカーブ、スライダーを混ぜ38球でプロ初ブルペン終了。直球はバラツキが目立ったが、カーブを投げる際の手首や肘の使いかたは、NPB通算173勝の桑田真澄氏にそっくりだった。
加藤武治ファーム投手コーチ
「まっすぐはバラツキがあった。指に掛かった低めのボールは素晴らしいボールがあったが、(自主トレ期間中に)鎌ヶ谷でもっとすごいボールを見ているからね……。はじめてのブルペンで緊張していたかもしれない。そんな中ではカーブが良かった」
その後はサブグランドに移動してサインプレーの確認、内野ノックを予定通りこなして午後12時7分に実技系の練習終了。
ランチを挟んで午後はトレーニングルームで1時間15分あまりを過ごす。
午後2時21分:荒木2軍監督会見
「吉田のブルペンはバタついている印象だった。あまり自分のタイミングというか、間では投げられていなかった。良いボールも悪いボールもたくさんあったが、技術的に修正をする気はない。好きなように野球をやってもらって、1年間過ごして、修正は1年目のオフにすれば良い。いろんなこと(甲子園での活躍)が重なって、注目されてプロに入ってきた人間の宿命がある。自分の場合は(周囲からの注目度は)こんなもんじゃなかったので、どうにかなります。心配はしていません」とキッパリ。混乱防止策として神宮球場に”荒木トンネル”を作らせてしまった張本人の言葉にリアリティを感じた。
午後3時29分:吉田輝星会見
「鎌ヶ谷でのブルペンに続いて一日ずつ良くなっている感じ。まだ一球一球にバラツキがあったが良い方に近づいている。ブルペンでは高めに浮いてしまったボールを低めにしっかり投げたい。甲子園ではあまり投げていなかったカーブに最近は自信を持っている。タテ回転を意識して、(体の軸を)ななめらない(傾かない)、マタテのカーブを目指している」
技術系の質問が相次いだが、地元秋田のメディアからは、「あきたこまちが恋しくならないか?」と聞かれ「あきたこまち不足ですね……」とユーモアを交えて答える場面も
記者との囲み取材では、理想とするカーブの軌道として武田翔太(ソフトバンク)、クレイトン・カーショー(LAドジャース)のビッグネームをさらりと挙げる意識の高さが印象に残った、充実の吉田輝星初取材となった。
キャンプ3日目の明日は昨年2位に躍進したヤクルトスワローズの長時間キャンプを取材予定です。お楽しみに! <文/写真:日刊SPA!2019プロ野球キャンプ取材班>
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